「86」中国からとみられる嫌がらせ電話、福井県の原発施設にも179件 カタコトで意味不明…福島原発処理水放出への抗議か

 東京電力福島第1原発の処理水が海洋放出された8月24日以降、中国から発信された嫌がらせとみられる迷惑電話が、福井県内の原発関連施設にも相次いでいることが8月29日分かった。日本原電によると、敦賀発電所やPR施設「敦賀原子力館」(いずれも敦賀市)などの県内施設に28日までの5日間で計179件の迷惑電話があった。

 日本原電によると、国際電話で中国の国番号を示す「86」で始まる番号からのものが大半。中国語や片言の日本語、機械音声などで意味不明な内容が多く、処理水放出に対する抗議とみられる。25日には敦賀発電所の代表電話を中心に計111件かかってきた。27日以降は1日10件以下に落ち着いているという。

 また、日本原子力研究開発機構によると、25日に敦賀事業本部や高速増殖原型炉もんじゅ(いずれも敦賀市)などに計8件あった。26日以降は確認されていないという。

 県内で原発6基が稼働している関西電力は「県内で若干数、電話があった」とした。

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NTT西日本、ナンバーディスプレイで国番号の確認を

 海外からの発信とみられる迷惑電話が多数発生していることを受け、NTT西日本は8月29日、同社ホームページで迷惑電話の着信拒否などに対応するサービスや、相談窓口を案内している。サイトによると、固定電話と、ひかり電話にかかってくる国際電話は、特定の国番号からの着信を一括で拒否することはできないが、特定の番号からの着信は回避することができるという。

 海外からの着信は「+(国番号)ー相手の電話番号」の形式で表示される。国番号は国によって異なり、日本の場合は市外局番の最初の「0」。中国の場合は「86」と表示される。ナンバーディスプレイを利用し、心当たりのない国番号が表示された電話には出ないことが回避方法の一つとしている。

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 ひかり電話を利用している場合は「迷惑電話おことわりサービス」で、特定の電話番号からの着信を自動で拒否できるという。番号は最大30件登録可能。

 海外からの迷惑電話に関する相談窓口は、固定電話を利用している場合は電話番号局番なしの「116」(9時~17時)。ひかり電話を利用している場合は「0120-116116」。NTT東日本は、中国からとみられる迷惑電話が相次いでいる問題で、電話相談窓口「迷惑電話対策センター」を設置したと発表した。通話無料で「0120-325263」(9時~17時)。

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