神戸市西区の果樹園で、神戸ワイン用のブドウの収穫が最盛期を迎えた。丘陵地のブドウ畑に緑の木々が整然と並ぶ中、厳しい残暑を避けて早朝から摘み取り作業が進められている。
市内に3カ所ある神戸ワインの原料農場の一つ、平野地区では約20ヘクタールで2組合が4品種を栽培。食用種と異なり、甘みだけではなくうま味や酸味を持たせた品種だという。
神戸の土壌と気候が育んできた神戸ワインは今年で発売40年目。栽培、醸造ともに進化し、「今年はあえて完熟まで収穫を待った畑もあり、おいしいワインになるよう挑戦しています」と印路生産組合の萩原重実代表理事(74)。
8月は白ワイン向け品種が中心で、9月半ばからは赤ワイン向け品種を収穫する。ワインの仕込みも始まっており、今年の新酒は10月末の販売予定。(中西幸大、小林良多)