中心街から小学校がなくなる…? 尾道「街づくりを考えるシンポジウム」で学校再編案に異論

広島・尾道市は、去年11月、市内中心部にある3つの小学校と2キロほど山手にある2つの中学校をそれぞれ統合する再編計画を発表しています。29日に開かれたシンポジウムでは、学校を中心とした街づくりの必要性も提言されました。

アクセ 高垣孝久 社長
「中心市街地から全ての小学校がなくなるという大きな問題に直面している」

最初に登壇したのはファッションビル・パリゴを展開する「アクセ」社長で、商店街連合会の会長でもある 高垣孝久 さん。高垣さんは、人口減が45年間続く尾道市で街づくりに長年携わってきた経験から学校の統廃合は必要だという考えです。

ただし、統合後の小・中学校が中心部から2キロ以上離れるという現在の市の方針には疑問を投げかけます。子どもや保護者のためだけでなく、街の未来のために中心市街地に小学校を残すことの重要性を訴えました。

アクセ 高垣孝久 社長
「住宅から2.2キロ離れた小学校、へたすると2.5キロ離れた学校…。例えば社員にそのエリアに住みなさいと堂々と言えるかというと…」

また、尾道空き家再生プロジェクトの 豊田雅子 さんは、これまでに地域と学校が一緒になって取り組んできた活動を紹介し、地域資源の豊富な尾道市街で学ぶ重要性を訴えました。

尾道空き家再生プロジェクト 豊田雅子 代表理事
「学校のないところに移住者を呼び込むのってすごく難しくて、尾道にとってすごくマイナス。移住促進もしているはずなのに逆行している。教育も含めて街づくりなので、そこまでちゃんと考えてほしい」

参加者たち
「みんな思いが強くて、街のことを考えているからこういう機会がある。いい街だとあらためて思いました」
「(ここでの案が)ちゃんと市に伝わったり、その意見を取り入れて市が動いてくれたりすれば、可能性があると感じました」

尾道市の再編計画では、現在の長江中学校と久保中学校を統合して、久保中学校に置きます。また、現在は仮校舎で授業していますが、もともとは市中心部にある土堂・長江・久保小学校を統合して、現在の長江中学校に移転させる方針です。

尾道市は、こういった再編に関する予算案などを9月議会に諮る予定です。

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