万博の「空飛ぶクルマ」、尼崎-夢洲が運航ルート候補に 直線距離3キロ、事業者は丸紅

「VX4」が飛行するイメージ(丸紅提供)

 兵庫県は30日、2025年大阪・関西万博開催時の商用運航を目指す「空飛ぶクルマ」について、万博会場(夢洲)と尼崎市南部の「フェニックス事業用地」を結ぶルートが候補に選ばれたと発表した。

 ルートは直線距離で約3キロ。丸紅(東京)を運航事業者とし、英バーティカル・エアロスペース社の5人乗り機「VX4」を使う予定。県は既に同事業用地で暫定的な発着ポートの整備に着手している。

 同事業用地には万博の会場外駐車場を設ける計画があり、会場までのシャトルバス運行の拠点となる。県は「飛行をより多くの人に見てもらえる」(斎藤元彦知事)として、ルート採択を求めていた。

 今後、実現に向け、日本国際博覧会協会や政府など関係者間で調整を進める。尼崎以外では、大阪港・中央突堤や、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に近い桜島地区などと万博会場を結ぶルートが検討されている。

 また県は同日、大阪府・市、神戸市とともに、空飛ぶクルマの普及に向けた民間の取り組みを支援する補助事業で、対象となる6事業者を発表した。各社は空飛ぶクルマの需要の分析▽観光利用を見据えた飛行ルートの設定と実証飛行▽血液輸送など医療面での活用の検討-などに取り組む。(西井由比子)

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