陸上1万m・田澤(青森・八戸市出身)、故郷でアジア大会V宣言 パリ出場見据え世界ランク上位狙う

県民駅伝の八戸市選手団結団式にサプライズ参加し、小中高生選手らのサインに応じる田澤(中央)=八戸市の「マチニワ」

 陸上の世界選手権ブダペスト大会男子1万メートルに出場した田澤廉(22)=八戸市是川中-青森山田-駒大出、トヨタ自動車=が30日、同市内で東奥日報などの取材に応じた。昨年の米オレゴン大会より順位を五つ上げ15位で終えたことについて「7000メートルまでは前回よりいい走りができたが、後半に課題があった」と述べ、来月の杭州アジア大会で「優勝して良いタイムを出し(世界ランキング上位入りのため)ポイントを狙いたい」と来年のパリ五輪を見据えて語った。

 田澤のブダペストでのタイムは28分25秒85。レースでは「7000メートルから一気に集団のペースが上がり、きつくなって先頭から遅れた。入賞が目標だったが、自己ベストの27分23秒より速い選手がたくさんいる中での入賞は、自分のレベルでは厳しい」と差を実感したという。

 パリ五輪出場のためには参加標準記録(27分0秒00)突破か、世界ランキング上位入りが必須。このため順位に応じて付与されるポイントが日本選手権より多いアジア大会で、7月のアジア選手権(タイ・バンコク)に続く頂点を狙う。「アジアで勝つのは当たり前。そこで負けたら26分台で走るアフリカ勢と勝負できるわけがない」と言い切り、「パリ五輪までに自分も26分台を出したい」と意欲を見せた。

 田澤は同日、八戸市庁で熊谷雄一市長と懇談。市の応援看板設置や市民の応援に感謝した。また同市の「マチニワ」で行われた県民駅伝同市選手団結団式にサプライズ参加し、「弱気にならず、絶対勝てるという思いを常に持って走るのが大事」と後輩らにエールを送った。

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