【韓国】コロナ等級きょう引き下げ[社会] インフルと同等に、検査は有料化

新型コロナウイルス感染症の等級が、きょう31日に従来の「第2級」からインフルエンザなどと同様の「第4級」に引き下げられる。韓国の中央事故収拾本部は、新型コロナ感染症による重症化リスクが大きく下がり、国内での感染拡大が衰えたことを等級引き下げの理由に挙げた。これにより病院での検査は、一部のケースを除いて有料となる。

これまでの「2級」は結核やA型肝炎、コレラなどと同等で「発生時は24時間以内に申告し、隔離が必要」と規定されている。これに対し、「4級」はインフルエンザや急性呼吸器感染症などと同じで「標本監視活動が必要な感染症」に分類されている。

疾病管理庁はこれに先立つ23日、国内の感染状況などを考慮して新型コロナ感染症の等級引き下げを発表していた。今年3月に明らかにした国内での新型コロナ収束に向けた「危機管理調整ロードマップ(行程表)」の最後の2段階目に当たる。同庁はこの措置により、「完全な日常の回復にさらに一歩近づく措置」としている。

新型コロナ感染症は2020年1月に国内で発生した直後に最も高い「1級」に分類され、22年4月25日に「2級」に引き下げられた。それから1年4カ月ぶりの等級引き下げとなる。

■検査の自己負担増

新型コロナ感染症がインフルエンザと同じ等級に下がることで、これまで毎日実施されていた全数調査と感染者数の集計は終了となる。今後は527の監視機関による陽性者申告体制に切り替わり、機関内の感染者発生状況などは週単位で公開されるようになる。疾病管理庁傘下の中央防疫対策本部が9月13日から、毎週水曜日に申告体制の運用状況を発表する計画だ。

また、一部のケースを除き検査費は有料化され、自己負担額が増す。基礎疾患のない満59歳以下の場合、これまでは検査費が無料だったため診察料の5,000~6,000ウォン(約550~660円)を支払えば済んだ。しかし、今後は病院での迅速抗原検査の費用は2万~5万ウォンとなる。60歳以上や入院患者、満12歳以上の基礎疾患保有者などについては、50%の健康保険による支援を受けられる。

PCR検査については、症状がある場合に30~60%の健康保険の支援が適用されていたが、今後は60歳以上や入院患者などに限って適用が維持される。そのため、一般人は6万~8万ウォンの自己負担が発生するとみられている。

入院した場合の治療費は、一部の高額治療費については年末まで支援を受けられるが、その他の代金は自己負担となる。

屋内のマスク着用については、病院や療養施設などでは着用の義務がしばらく継続される。

■ワクチン接種は年1回推奨

一方、ワクチン接種は、これまでと同じように無料で受けることができる。

疾病管理庁によると、今年前半に感染者が多かったオミクロン株の派生型「XBB」の対応ワクチンの接種を今年10月から開始する計画という。韓国政府はワクチンが症状の重症化を抑え、致死率を下げる重要な役割を持っているとして追加接種を積極的に奨励している。

同庁が30日発表した8月第4週(20~26日)の新規感染者数は計26万4,305人と、前の週(13~19日)に比べて9.4%減少した。感染者数の減少は2週間連続で、再生産指数は0.94と1を下回った。重症化率は0.10%、致死率は0.04%と低い水準を維持している。

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