自由で独創的な洋画ずらり 9月3日まで 茨城県五浦美術館

強いメッセージを込めた大作が並ぶ「第10回双風展」=北茨城市大津町

美術集団「ノン・ブラック」のメンバー10人による選抜展「第10回双風展」が30日、茨城県北茨城市大津町の県天心記念五浦美術館で始まった。強いメッセージを込めた洋画54点が並ぶ。9月3日まで。入場無料。

「新しい風~絵画表現の行方~」を副題に、自由で独創的な作品を展示。仏像やアジアの風景を題材にした大作や社会問題に目を向けた力作など、作家のエネルギーが感じられる。大石展子代表は「それぞれ違うメッセージを持っている。来た人も絵を見て考えてほしい」と話す。

大石代表は、海洋汚染の影響を受けるウミガメやクジラ、苦悩する人々を描いた「負の遺産」などを出品。祈りや怒りといった複雑な感情を表現した。仁平ケイ子さんの「チベットのまつり」は伝統衣装をまとった人々を描き、鮮やかな色彩が印象的な作品。八木奈津実さんの「富岳」は、葛飾北斎の名作をモチーフに、コロナ禍への風刺を随所にちりばめた。

会場を訪れた茨城県日立市の夫婦は「大きな作品に圧倒される。絵から訴えようとするパワーを感じる」と感想を話す。午前9時半~午後5時(最終日は同3時まで)。

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