金沢―敦賀間の特急サンダーバード、しらさぎ廃止を発表 JR西日本、敦賀駅で乗り換え必要に

ホームに停車する大阪行きのサンダーバード=8月30日、福井県福井市のJR福井駅

 JR西日本は8月30日、北陸新幹線金沢―敦賀間の開業に合わせ、金沢―敦賀間の特急サンダーバード、しらさぎの運転を取りやめると発表した。北陸と関西、中京を結ぶ特急は敦賀止まりとなり、敦賀駅での乗り換えが必要になるが、福井と大阪、名古屋間は現行よりそれぞれ3分短縮される。

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 整備新幹線建設の条件の一つに、沿線自治体が新幹線と並行して走る在来線の経営分離に同意する必要があり、JR北陸線の福井県内区間は第三セクター「ハピラインふくい」に移管される。速達性のある特急が新幹線に移行するため、サンダーバードやしらさぎの運行は終了する。敦賀―金沢間の特急おはようエクスプレス・おやすみエクスプレス、福井―金沢間の特急ダイナスターも廃止する。

 福井から大阪や名古屋方面への移動は、北陸新幹線やハピラインで敦賀駅まで移動し、サンダーバードやしらさぎに乗り換えることになる。JR西の発表によると、北陸新幹線の福井県内延伸後、新幹線、特急を乗り継いだ場合、福井―大阪間は1時間44分、福井―名古屋間は1時間33分となる。

 旅行者にとっては、敦賀駅でスムーズに乗り換えられるか気にかかる。北陸新幹線の敦賀駅は3階建てで1階に在来線特急、3階に新幹線が乗り入れるため、上下移動に一定の時間を要する。ハピラインは現在の敦賀駅に入るため、新幹線駅まで「動く歩道」を利用して約60メートル移動する必要がある。

 福井県などは利便性を維持するため、敦賀以北への特急乗り入れを求めてきたが、並行在来線区間の特急の運行は過去に例がないとして、国やJRは「新幹線開業後は廃止」との原則を堅持。県は21年6月、特急乗り入れを断念した。

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