ガソリンなど燃料の価格高騰 全国各地に荷物を届ける運送業者は悲鳴…

 ガソリンを始めとする燃料の価格が15年ぶりの高値となり、上昇し続ける中、全国各地に荷物を届ける栃木県内の運送業者も苦境にあえいでいます。

 経済産業省が30日発表したレギュラーガソリン1リットル当たりの全国の平均小売価格は、185円60銭で前の週より1円90銭上がり15週連続の値上がりとなりました。県内のレギュラーガソリンの小売価格は28日の時点で1リットル当たり186円10銭で前の週より2円値上がりし最高値を更新しています。

 日光市沢又にある運送会社サンコーです。この会社では、トラック50台を所有し、食品や工場製品の輸送をてがけています。北は青森県、南は九州まで荷主から預かった荷物を届け、1日当たり、約1000リットルもの軽油を消費しています。県内の運送企業では珍しく会社の敷地内に2万リットルの燃料タンクがあり、小売価格より安く軽油を仕入れていますが、それでも、すでに燃料高騰が叫ばれていた去年(2022年)の同じ時期と比べて5%ほど燃料費が上がりました。運送事業者のほとんどは、中小零細企業で、経費となる燃料費が上がれば、それが直接、経営を圧迫するといいます。これに加えて、今年の猛暑がさらに追い打ちをかけています。

 燃料が上がった分を、すぐに価格転嫁できるわけではなく、さらに慢性的なドライバー不足にある業界とあって人件費をおさえることもできないといいます。こうした中、栃木県は、トラック1台あたり5千円、事業所がある宇都宮市は1万5千円の補助金を支給する制度を設けていますが、これだけでは、焼け石に水。運送業界の長時間労働を是正するいわゆる2024年問題も重なり企業努力だけは限界、手の打ちようがない状態です。

 一方、政府は、今年(2023年)9月末で終了する予定だったガソリン価格の抑制策を足元の価格高騰を受け、年末まで延長しレギュラーガソリンの全国平均を170円台に抑える方向で検討しています。

© 株式会社とちぎテレビ