"時速160キロは危険運転" 「危険運転致死の罪」を求め遺族ら要望書提出

 今年(2023年)2月に宇都宮市の国道で時速160キロを超える速度で車を運転し死亡事故を起こしたとして、過失運転致死の罪で起訴された被告について、遺族らが30日、より刑が重い危険運転致死の罪に問うことへの変更などを求めるため、宇都宮地方検察庁に要望書を提出しました。

 この事故は今年2月14日の夜、宇都宮市下栗町の新4号国道で、石田颯汰被告(20)が運転していた乗用車が、時速160キロを超える速度で前を走る佐々木一匡さん(当時63歳)のバイクに追突し死亡させたとして現在、「過失運転致死の罪」を問う裁判が行われています。

 今年6月、佐々木さんの妻の多恵子さんは乗用車が法定速度を100キロ超えていることなどからより刑の重い「危険運転致死罪」の適用を求めて宇都宮地方検察庁に要望書を提出しています。そして7月、法定速度を大幅に超える交通死亡事故で家族を亡くした全国の遺族などが集まり、「高速暴走・危険運転被害者の会」が設立され多恵子さんは会の共同代表として危険運転致死傷罪の適正な運用を求める活動に取り組んでいます。

 30日は、被害者の会の遺族など7人が宇都宮地検を訪れ、改めて裁判で危険運転致死の罪に変更するよう要望書と署名を提出しました。今回の要望書では前回、主張した「制御困難な高速度」に加え、事故当時、道路には多数の車両が走行していたことなどから「通行を妨害する目的が認められる」として危険運転致死罪の適用を求めました。

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