鳥栖市両親殺害事件 弁護側、裁判員裁判公判で19歳被告の「保護処分」主張へ

 鳥栖市の住宅で両親を殺害したとして長男(19)が殺人罪で起訴された事件で、弁護側が公判で被告の量刑に関し、家裁に移送して保護処分にするべきと主張する見通しであることが分かった。9月1日に裁判員裁判初公判が行われるのを前に佐賀地裁は30日、争点や審理内容などを明らかにした。

 被告は少年法が適用される18歳以上の「特定少年」に当たる。同法では、裁判所が審理の結果、刑罰でなく少年院送致などの保護処分が適当と判断した場合には家裁に移送することを定めている。弁護側はこの規定に基づいて主張する方針。公判では、被告の母親に対する殺意の有無や量刑が争点になる。

 起訴状によると、3月9日、鳥栖市の実家で50代父親と40代の母親をナイフ(刃体約15センチ)で数回突き刺してそれぞれ失血死させた、としている。

 被告人質問は4日、証人尋問などは5日に予定されている。論告求刑公判は7日に開かれ、15日に判決が言い渡される。

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