故谷口稜曄さんの被爆体験 朗読と音楽で表現 長崎でコンサート、市民ら120人鑑賞

朗読する「永遠の会 U-25」のメンバー(中央)。クラシックギター奏者の佐藤さん(中央左)らは組曲を披露した=長崎原爆資料館ホール

 元英国軍人でジャーナリストの故ピーター・タウンゼントさんが長崎の被爆者、故谷口稜曄(すみてる)さんの体験を基に書いた「ナガサキの郵便配達」の朗読と、同書を題材とした組曲を演奏するコンサートが26日、長崎県長崎市平野町の長崎原爆資料館ホールであった。市民ら約120人が鑑賞し、朗読と音楽が紡ぐ平和をかみしめた。
 長崎平和推進協会主催。同書は、16歳のころに郵便配達中に被爆し、背中に大やけどを負った谷口さんらの姿を通して原爆の惨状を描いている。
 朗読は、4月に新設された若者朗読サポーター「永遠の会 U-25」のメンバーらが担当。組曲を作ったクラシックギター奏者の佐藤洋平さん(37)や長崎OMURA室内合奏団の奏者らが感情豊かに演奏した。
 朗読した県立大1年の渡邊紗羽さん(18)は「音楽で気持ちが盛り上がった。(組曲が)表現する感情を自分なりに受け止め、読み方も意識した」と組曲との相乗効果を実感した様子。佐藤さんも若い朗読者との共演を喜び、今後の海外公演などを視野に組曲をさらに磨き上げていくと述べた。

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