青森県五戸町上市川のオーディオ・ホームシアター専門店「音(おと)や」が開発した電源コンディショナー「Magic Box」(MB)は、7年余りで販売台数が千台を突破した。地方の1店舗のオーディオ関連商品が、これほど売れるのは極めて異例。大ヒットに立花良治社長は「特に広告を出さずとも愛好家が自らの耳で、オーディオの音を良くする商品と認めてくれたおかげ」と喜んでいる。
MBは、同社が顧客のアイデアをヒントに開発し、電源機器製造会社・光城精工(平川市)に製造を委託した「オール青森」の製品。2016年3月から販売した。オーディオの電源関連機器は、メーカー製の数十万円以上する高額商品が多いが、MBは1台6万5千円(税込み)。MBの高級感を高める県産ヒバ製ウッドケース1万2千円(同)も販売している。
使用方法はコンセントとオーディオ機器の間に電源ケーブルを用いて設置し、使うときにスイッチを入れるだけ。特長は大容量進相コンデンサーの採用により、電流と電圧の位相を整えること。発売当初、オーディオ専門誌で音質改善効果と手頃な価格を評価され、顧客からも「オーディオ機器までの間に多く使うほど、スピーカーから出る音が良くなる」という声が多く寄せられている。
千台の販売に対し、購入者は二百数十人で、複数台買うリピーターが多い。1人で16台買い、CDプレーヤー、アンプなど全ての機器に設置した愛好家もいる。テレビの画質向上にも効果があり、電気炊飯器とともに使い「ご飯がおいしく炊き上がる」と喜ぶ人もいるという。
立花社長は「音楽という言葉は、音を楽しむ-と書く。CDの音を良くする消磁器など、あまり知られていない他社製品も紹介して、音楽ライフの充実に貢献したい」と話している。問い合わせは音や(電話0178-68-3701)へ。