今年の稲刈りスタート、過去最速水準か 青森県内の適期、平年より10日程度早まる

 青森県は30日、県内水稲の刈り取り適期(刈り取りを始める日の目安)について、津軽地域は9月3~6日ごろ、県南・下北地域と津軽半島は同5~12日ごろとの予測を発表した。県によると、猛暑の影響で平年より10日ほど早く、過去最も早い水準という。今後の天候次第ではさらに早まる可能性もあり、県は刈り遅れによる品質低下を招かないよう、早めの準備と適期収穫を呼びかけている。

 今年は好天に恵まれ、出穂割合が50%に達した「出穂最盛期」は県全体で平年より6日早い7月30日だった。刈り取り適期は、県内の地域気象観測システム(アメダス)設置点ごとに、出穂最盛期を起点として日平均気温を足していく「積算気温」が刈り取り目安の960度に到達する日を推計。出穂後も高温が続き予測が大幅に早まった。

 最も早く刈り取りを迎えるのは弘前市と五所川原市で9月3日。青森市と鯵ケ沢町が4日、黒石市や平川市碇ケ関のほか十和田市、八戸市などが5日と続く。最も遅いのは東通村小田野沢で12日。高温の影響で米粒にひびが入る「胴割れ」が発生しやすいつがるロマンはさらに1~2日ほど早い見込みで、県産ブランド米「青天の霹靂(へきれき)」の刈り取り始めは8月29日~9月4日ごろと予測した。

 刈り取り適期は30日、黒石市内で開いた生産技術研修会で示した。県農産園芸課の大和山真一課長は「今年はこれまでに経験のない暑さ。『はれわたり』の全国デビューも控え、皆さんの力を合わせて品質を落とさず出来秋を迎えたい。積算気温を参考に、(もみの)色の変わり具合などを確認し適期を見極め、とにかく刈り遅れなく収穫するようお願いしたい」と強調した。

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