2施設がABINC優秀賞、ESR

ESR(スチュアート・ギブソン代表取締役)は、「尼崎DC」、「レッドウッド南港DC2」の2施設が、いきもの共生事業推進協議会主催の「第3回ABINC優秀賞」を受賞した。
 同賞はABINC認証取得施設の中から特に優れた事例や波及効果の大きい施設、斬新な取り組みをしている事業所を3年毎に表彰、「優秀賞」は他の模範となる最高得点を得た施設が選出される。
 ABINC認証は生物多様性保全に取り組む工場、オフィスビル、商業施設、集合住宅、物流倉庫などの施設を「いきもの共生事業所」として認証。世界の投資家からグリーンビルディング認証として認められている。
 今回、優秀賞を受賞した6施設中、2施設が同社の物件で物流施設は同社のみ。6月27日に行われた表彰式で「物流施設業界での生物多様性へ取り組むトップランナー」と総評を受けた。
 「南港DC2」は敷地内に約1・2万平方㍍の緑地を配備、2018年に物流施設として初めてABINC認証を取得した。大阪市の基準3%を大きく上回る約18%の緑地率を確保し、野鳥を呼び込む工夫を凝らしたビオトープの整備や、柔軟な発想から新しい環境コミュニケーションを提案した手本となる施設と評価を受けた。
 日本、アジア太平洋地域でも建物単体で最大の延床39万平方㍍を誇る「尼崎DC」は、水鳥の生息に配慮し、運河を隔てて隣接する「尼崎の森中央緑地」と合わせた生態系ネットワークの形成を目指し、ビオトープエリアを設け樹木の選定や雨庭を整備。専門家と託児所と協力した独自のモニタリング体制が整い、託児所を通じた環境教育の視点からも期待できるなど評価を受けた。
 南港DC2は他社に売却済だが、ABINC 登録時の開発者が対象となり同社が受賞した。
●2施設が照明施設賞
 また、ESRでは「横浜幸浦DC1」と「弥富木曽岬DC」のラウンジが照明学会主催の「2023年照明施設賞」を受賞、「弥富木曽岬C」のエントランスホールが照明学会東部主催の「東海支部奨励賞」を受賞した。
 「弥富木曽岬DC」には、倉庫内に入居企業のレイアウトに合わせエリアごとに照明の点灯区分を自由に設定できる環境配慮型照明システムを初導入した。
 「横浜幸浦DC1」の建物のファサード照明は冨士山へ視線を導き、物流の躍動感を表した。呼応するよう南北2カ所にあるクラブラウンジではライン照明を効果的に設置することで利用者の視線を導き、空間の広がりを演出した。

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