操作セミオート機能搭載、JR貨物、コマツ共同開発

JR貨物(犬飼新社長)とコマツ(小川啓之社長) は12日、鉄道輸送の荷役作業の生産性と安全性の向上へ、コンテナ用フォークリフトのガイダンス・セミオート機能に関する共同開発契約を締結したと発表した。2024年度から全国の貨物駅へ21 台の車両導入を目指す。
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 鉄道輸送へのモーダルシフトに関心が高まる一方、貨物駅では熟練した荷役作業オペレーターの確保や人材育成が課題となっている。
 コマツはフォークリフトオペレーターの作業負荷軽減を目的に、JR貨物のコンテナの約9割を占める12フィートコンテナを扱うエンジン式フォークリフト「FH120」をベースに操作ガイダンス機能と操作セミオート機能の先行研究を19年から行ってきた。
 操作ガイダンス機能は、車体と作業機周辺に設置した複数のカメラ等センサでオペレーターが直接視認しにくいフォーク先端高さや中心位置をモニタ表示。 コンテナを適正位置で保持しているか検出し、適切でない場合はオペレーターに警告を促し周辺コンテナへの接触やコンテナ落下事故を防止する。
 操作セミオート機能は、LiDAR等の外界センサで荷役対象コンテナの位置を認識し、オペレーターがアクセル操作のみでフォークリフトを自動的に荷役対象コンテナへ正対させることができる。独自の荷役対象認識技術でフォーク位置を正確に自動制御する。
 コマツの先行研究で作業負荷軽減に大幅な効果が期待できることを確認し、共同開発契約を締結した。今後は両社で同機能搭載の量産車両の共同開発を進める。

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