UEFAのボバン氏がプレミアリーグの長いアディショナルタイムに苦言「クレイジーだ。我々はやらない」

写真:何かと話題を集めるプレミアリーグの追加タイム

欧州サッカー連盟(UEFA)でサッカー部門のトップにあたるチーフ・オブ・フットボールを務める元クロアチア代表のズボニミール・ボバン氏が、プレミアリーグのアディショナルタイムについて苦言を呈した。イギリスメディア『The Guardian』が報じている。

今シーズンのプレミアリーグでは、昨年のカタール・ワールドカップ同様、プレーが止まっている時間が正確に計測され、これまでよりもアディショナルタイムが長く取られる傾向にある。

実際、第3節のマンチェスター・ユナイテッド vs ノッティンガム・フォレストの試合では、前半こそアディショナルタイムが3分であったものの、後半は11分が追加された。フル出場した選手たちは100分以上、ピッチに立っていたことになる。

こうした状況を受け、ボバン氏は今シーズンのチャンピオンズリーグではアディショナルタイムを増やすことはしないと明言した。

「全く馬鹿げているとしか言いようがない。選手の安全面を考えれば、これは小さな悲劇と言うべきか、大きな悲劇と言うべきか。60分、65分とプレーして、残り30分を迎えた時には疲れが溜まっているはずだ。そこに誰かがやって来て、さらに12分、14分、15分とプレー時間を増やす。いったい何のためにだ?」

「サッカー界は選手やコーチの意見に耳を傾けない。イングランドは試合数が多いから、(プレー時間が増えることについて)我々以上に多くのことを知っているはずだろう? なのに1試合あたり6分から7分プレー時間が増えている。シーズンで考えれば500分近い。6試合分だよ。クレイジーだ。これはやりすぎだ。だから我々は同じことはしない。我々のガイドラインに従う」

さらにUEFAの審判委員長を務めるロベルト・ロセッティ氏は、チャンピオンズリーグが他の主要リーグと比較して、「効果的なプレーイングタイム」が長いことを指摘した。昨季のチャンピオンズリーグではプレーイングタイムが平均60.07分であったのに対し、プレミアリーグは平均54.46分であったという。

「我々はこの問題に5年以上前から取り組んできた。アディショナルタイムの正確さよりも重要なことがある。なぜ人々はチャンピオンズリーグが好きなのか。集中力があり、ファンタスティックで、選手たちが決して止まらないからだ。我々は審判に対し、プレーが止まっている時間に気を取られるのではなく、プレーの再開を早めるよう伝えているんだ」

© 株式会社SPOTV JAPAN