戸籍関連書類のネット請求、マイナカードでキャッシュレス決済OK 全国の自治体初、兵庫・養父市が1日から本格導入

養父市役所=養父市八鹿町八鹿

 兵庫県養父市は1日から、マイナンバーカードを用いて戸籍関係書類のインターネット請求と手数料などのキャッシュレス決済を始める。国のキャッシュレス決済システムを活用したサービスで、一部の市が試行したが、本格的な導入は全国の自治体で初めて。

 マイナカードによるキャッシュレス決済システムは、国が宮崎県都城市で試験運用していた。国は同システムの普及を図るため、今年4月に導入自治体を募集し、養父市など複数の自治体が名乗りを上げていた。導入準備が早かった同市と石川県志賀町で先駆的に導入される。

 書類の請求者は、マイナカード取得者向けのサイト「マイナポータル」で本人確認を行い、インターネットを通じて養父市に書類を請求する。一方、市は請求時に送られた本人のメールアドレスを通じて、書類の発行手数料や書類の郵送料を支払うための同システムのURLを請求者に案内する。市は請求者の支払いが確認でき次第、書類を郵送する。

 請求できる書類は、戸籍謄本や除籍謄本、身分証明書など9種類。「PayPay(ペイペイ)」など3種類の決済アプリで支払うことができ、今後はクレジットカードにも対応する予定という。

 これまで市民が戸籍関連書類を入手するためには、市役所の窓口で手数料を支払った後に発行してもらうか、現金書留や郵便為替で手数料を納めた上で書類を郵送してもらう必要があった。ただ、相続手続きなどで遠方から市役所に訪ねてくる人も多かったという。マイナカードを巡るトラブルが多発するが、広瀬栄市長は「デジタル化が進む今、積極的に新たな仕組みを取り入れ、誤りが起きない点検とフォローの体制を築いていく」としている。来年3月末までに同システムを用いて請求した場合、市が書類の郵送料を負担する。同市市民課TEL079.662.3163 (吉田みなみ)

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