三浦市営住宅、70年の歴史に幕 最後の諸磯も今年度中に廃止

建築から60年以上経過し、老朽化が進む諸磯住宅=30日、三浦市三崎町諸磯

 三浦市は2023年度中に、老朽化が著しい諸磯の市営住宅を廃止する。下宮田と晴海の両市営住宅は22年度に廃止し、取り壊しが進んでいる。最後の諸磯が廃止されれば、戦後復興期の70年前からスタートした市営住宅の歴史に幕を閉じることになる。

 三浦市営住宅は入居困難者や生活困窮者を対象に、1953年の晴海住宅を皮切りに順次建てられた。しかし、市の厳しい財政事情から90年以降は新規入居者の募集を取りやめた。

 いずれも耐用年数を超えて暴風雨による被害も出る中、2020年度からは空き家住宅の取り壊しを本格化。並行して下宮田と晴海の両住宅は今年3月に用途廃止した。

 最後に残った諸磯住宅(木造平屋建て37棟)も同年度中に廃止するため、市は3月の市議会第1回定例会に市営住宅条例を廃止する条例案を提出して可決された。

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