瓜裂清水の魅力知って 名水カードと水まんじゅう完成

瓜裂清水をPRする名水カードと水まんじゅう=砺波市庄川町金屋

  ●全国名水百選、砺波市文化財 「地域の恵み」後世に

 全国名水百選に選ばれている砺波市指定文化財「瓜裂清水(うりわりしょうず)(同市庄川町金屋)の魅力を発信しようと、名水カードと、名水や地元産の庄川ユズ(金屋ユズ)を使った水まんじゅうが完成した。地元の名水を広くアピールするのが狙いで、3年前に水量が復活し、7月の豪雨被害を乗り越えた「地域の恵み」を守り、次代へ受け継いでいく機運が地元で盛り上がっている。

 瓜裂清水は、約600年前に瑞泉寺(南砺市井波)の開祖綽如(しゃくにょう)上人が岩黒で休憩した際、連れていた馬のひづめが沈み、その跡から清水が湧き出し、村人が献上した瓜が自然に裂けるほどの冷たい水から命名されたと伝わる。ミネラルが豊かでおいしい水として知られ、コーヒーや料理の水として人気が高い。

 名水カードは名刺より一回り大きいサイズで、表面は瓜裂清水を写真入りで、裏面には歴史やミネラルを堪能できる名水を紹介している。QRコード付きで、地元の東山見地区自治振興会が初めて作成した。500枚用意し、庄川温泉郷の旅館「鳥越の宿 三楽園」(同市庄川町金屋)や川なべ菓子舗(同)などに置いて利用客にPRする。

 水まんじゅうは、庄川ユズをすりおろした白あんに、くず粉を生地に練って仕上げており、おいしい名水が使われている。ユズ風味で名水と同様にさっぱりした味あいが特徴で、ユズをイメージして薄い黄色で丸みを帯びた形状。同自治振興会の宮窪大作会長(48)から打診された川なべ菓子舗の川那辺利朗さん(43)が試作を重ねて完成させた。1個170円(税込み)で販売する。

 カードと水まんじゅうは31日、ラジオ体操に参加した住民約60人に配布された。

 瓜裂清水は十数年前から水量が減っていたが、3年前に噴水孔(ふんすいこう)の改善工事を行い、水量を復活させた。7月の豪雨で近くの山から大量の土砂が流入したが、土砂を除去して元の状態となり、早朝から名水を求める人が続々と訪れているという。

 宮窪会長は今年で全国名水百選に選ばれて35年になるとし「復活の泉を地元の方を含めて多くの人に知ってもらいたい」と話した。

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