そごう・西武の売却発表で福井県知事、再び動く構え 存続求める西武福井店は「まちのプライド」

西武池袋本店でストライキを実施する中、通常営業した西武福井店=8月31日、福井県福井市中央1丁目

 百貨店そごう・西武の米投資ファンドへの売却を親会社のセブン&アイ・ホールディングスが発表したことを受け、杉本達治・福井県知事は8月31日、1日に就任したそごう・西武の田口広人社長と近く面会し、西武福井店(福井市)の存続を要望する考えをあらためて示した。売却先の米投資ファンドに対しても働き掛けを続ける姿勢を再度強調した。

 杉本知事や県内経済界は今年2、3月にもそごう・西武に福井店の営業継続を要望している。杉本知事はこの日の会見で「(売却後も)そごう西武が福井店の運営会社であることに変わりはないと聞いている。まずは福井店そのものの経営を良くすることに力を尽くす必要がある」と指摘。同日発表の9月補正予算にも福井店を含めた中心市街地の活性化策を盛り込んでいるとし、「西武福井店はだるまや時代から1世紀近く地域の顔であり、まちのプライドでもある。これからも地域の発展の観点から存続、発展の支援をしていく」と述べた。

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 31日は都内の西武池袋本店でストライキを実施したが、地方3店舗の一つである西武福井店は通常通りに営業した。県外と福井市の二拠点生活をしている70代女性は「福井滞在中は毎日のように来店している。福井駅周辺で生鮮品が買えるのは西武だけなので、今回の売却に不安を感じている」と表情を曇らせた。

 福井駅前商店街振興組合の加藤幹夫理事長は「福井駅から西武福井店にかけてがにぎわいの動線であり、来年3月の北陸新幹線開業に向けてなくてはならないまちの核」と話し、同店と商店街が一体となった販促活動を続けていくとした。

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