「認知症」4こま漫画で配信 症状をせりふで分かりやすく 諫早市が広報誌の作品活用

配信している4こま漫画(諫早市提供)

 高齢化が進む中、認知症を身近な問題ととらえ、理解を深めてもらおうと、諫早市が症状を分かりやすく紹介した4こま漫画にせりふを吹き込み、市の公式ユーチューブチャンネルで配信を始めた。
 4こま漫画は、「広報いさはや」の2021年9月号から22年4月号にかけて掲載した全8話。内容やこま割り、作画は市職員が担当し、認知症専門医が監修した。
 認知症の人によく見られる症状を取り上げ、それが短期記憶障害や不安感、理解・判断力低下などから来ることを解説。例えば、できないことや分からないことが増えてくる不安感から財布など大切なものを隠し、そのこと自体を忘れてしまって「無くした」と探すようになるが、それは本人なりに精いっぱい工夫した結果であることを伝えている。
 4こま漫画が好評だったことから、より広く知ってもらおうと、同市を拠点に活動する劇団きんしゃい(小川供孝座長)に協力を依頼。諫早弁のせりふを団員が吹き込み、8月中旬から全8話の配信を始めた。
 県によると、高齢化に伴い、県内の認知症の人(65歳以上)の数は20年度の約7万5千人に対し、10年後の30年度には約9万900人に増えるとみられている(人数はいずれも県の推計値)。
 市地域包括ケア推進課は「(不安感など)本人がどんな気持ちなのかを伝えたかった」とした上で、「高齢化が進み、認知症の問題は避けて通れない。症状を知ってもらうことが支援には大切。市民への啓発活動に取り組み、認知症の方も住み慣れた場所で安心して暮らせる地域づくりにつなげたい」としている。

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