予断を許さない埼玉、大規模施設の整備など課題 大野知事、2期目スタート 気になる今後の主要施策は

2期目の初登庁で職員から花束を受け取る大野元裕知事=31日午前、県庁

 任期満了に伴う埼玉県知事選で再選を果たした大野元裕知事の2期目が31日スタートした。大野知事は「未来志向の施策を進めていかなければならない」と述べ、人口減少・超少子高齢社会や災害・パンデミックなどの課題にさまざまな施策で取り組んでいく姿勢を示した。

 大野知事は2期目の初登庁で午前9時に県庁へ公用車で到着すると、職員に拍手で出迎えられ、花束を手渡された。知事室で第62代県知事就任署名書に署名し、講堂に集まった職員に、「持続的発展を可能とする未来志向の施策を進めていかなければならない」と抱負を語った。

 午後2時からの記者会見では2期目に向けた主要な施策として、人口減少・超少子高齢社会の到来と、激甚化・頻発化する災害やパンデミックなどを「二つの歴史的課題」に挙げ、埼玉版スーパー・シティプロジェクトの拡大や埼玉版FEMA(連邦緊急事態管理局)の推進などのまちづくり、子育て支援の充実と女性活躍に向けたジェンダー平等など、あらゆる人が活躍できる居場所づくり、サーキュラーエコノミー(循環型経済)やネイチャーポジティブ(生物多様性)推進による環境と経済の両立、企業支援やイノベーション(技術革新)を生み出す異業種交流の場「渋沢栄一起業家サロン」(仮称)の開設などを掲げた。

 県の財政状況については2021、22年度はコロナの影響で規模が大きくなったことを踏まえ、「大規模な施設の整備など積み増すものが出てくることを考えると、今の規模が仮に推移していくとしても、予断を許さない状況にある」と、デジタルトランスフォーメーション(DX)を前提として未来の県庁の絵を描くこと、時代に対応する行政改革を推し進める考えを示した。

 大野知事は会見後、県議会議事堂に出向いて立石泰広議長と岡田静佳副議長、自民、公明、民主フォーラム、無所属県民会議の議員控室をそれぞれ訪問し、出迎えた会派代表らに「県政を前に進めるため、ご協力いただきたい」とあいさつした。

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