そごう広島店新館閉館 百貨店“冬の時代” どう生き残る?

惜しまれながら8月31日に閉館したそごう広島店新館。近年、百貨店が相次いで閉店する百貨店“冬の時代”を迎えていますが今後の生き残り戦略は?専門家と考えます。

29年前の1994年そごう広島店新館はオープンしました。海外の高級ブランドも出店し、老若男女が集まる広島のランドマーク的存在に。

「流行」と「文化」の発信地として広島のにぎわいを担っていました。しかし…

2015年度に431億円を記録しましたが徐々に右肩下がりに。新型コロナで臨時休業を余儀なくされた2020年度には297億円まで減少。

そして8月31日、そごう広島店新館は建物の契約終了を理由に29年の歴史に幕を下ろしました。

ひろしまゲートパークが誕生し、来年にはサッカースタジアムがオープンするなど市内の活性化が期待される中での閉館。専門家はー

広島経済大学経営学部 細井謙一学部長「広島エリア全体がオーバーストア状態で競争が非常に激しい。コロナが収束してある程度消費が回復したといっても物価高の問題とか様々な問題がありますので、本格的な消費の拡大に結びついていかない」

県内の百貨店事情を見てみると2013年にはそごう呉店が閉店。天満屋は広島市に3店舗ありましたが、相次いで閉店させるなど厳しい状況が続きます。

全国的にもドラッグストアやコンビニの売り上げは右肩上がりで伸びる一方、百貨店は下がり続けまさに“冬の時代”。

広島経済大学経営学部 細井謙一学部長「百貨店に行かないと手に入らないような商品が徐々に少なくなってきたのかなというのが(衰退の一つの原因)どうしてもいま節約志向が消費の一つのキーワードになってきますので高級なものばかり売るというのも正直難しい」

海外ブランドや宝石・貴金属など高級品がならぶイメージが強い百貨店。物価上昇で消費行動が鈍る中、今後どのような生き残り戦略が描けるのでしょうか?

広島経済大学経営学部 細井謙一学部長「コンビニやドラッグストアとは違った層をターゲットにしていく。特にインバウンドや富裕層などに方向を切り替えて、そういう部分の売り上げを伸ばすことも大事になってくるんじゃないでしょうか」

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