バスに乗り社会勉強の旅 本郷中生、初企画

県消防学校で訓練の様子を見学する本郷中の生徒たち

 宮崎市・本郷中(永井章造校長、576人)の2年生161人は8月29日、路線バスで市内を回り、進路研究する校外学習を行った。新型コロナウイルス流行下で外出や行事が制限されたことを踏まえ、生徒が地域に出向いて視野を広げる機会を設けようと初めて実施。高校や大学、専門学校など市内35の教育機関が協力し、学びを深めた。
 生徒は4、5人の班で行動。公共交通機関を利用する県外での修学旅行に備え、移動には路線バスを使った。宮交シティに集合後、教育機関を1カ所訪問し、県総合文化公園、南九州大を経由して学校へ戻るルートで行った。
 別府凌伍さん(13)、岩切神羅(せいら)さん(14)、大野美咲さん(13)、大林彩夏さん(14)は県消防学校(川口泰夫校長)を訪問。職員の説明を受けながら、校内設備や初任科生の訓練風景を見学した。別府さんは「人を助けたいと命懸けで頑張っている仕事だと知れた」と感銘を受けていた。
 訪問先は佐土原町から田野町まであり、生徒たちは事前に時刻表などを調べて目的地を目指した。初めて路線バスに乗った大野さんは「常に時間を意識して行動しなければいけないと分かった」と感想。
 松田敏洋教諭は「多くの機関の協力で実施できた。公共の場でのマナーや地域の交通事情などさまざまな学びがあり、貴重な経験になったと思う」と話した。

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