フィリピン、インドネシア、日本で共催されているFIBAバスケットボールワールドカップは、大会9日目の9月2日に17～32位決定ラウンド（R）8試合が行われ、日本会場ではフィンランドとベネズエラ、日本とカーボベルデが対戦する。
順位決定Rは、1次R各組下位2チームがM～Pの4組に分かれて行われ、各チームが1次Rで対戦しなかった2チームと戦い、1次を合わせた計5試合の成績で順位を争う。各組1位は17～20位、2位は21～24位、3位は25～28位、4位は29～32位となり、最終順位は勝ち数、得失点差、総得点、FIBA世界ランキングの順で決まる。今大会は来年のパリオリンピック予選も兼ねており、各大陸連盟最上位など7チームが五輪切符を獲得する。
日本（世界ランキング36位）は、1次RのE組1勝3敗の3位で順位決定Rに回った。2次R進出とならなかったのは残念だが、格上のフィンランド（24位）に最大18点差から逆転勝利し、日本中を沸かせた。W杯においてヨーロッパ勢から初めて挙げた勝利であり、日本バスケ史に刻まれる1勝だった。さらに、8月31日に行われた順位決定R第1戦のベネゼエラ戦（17位）も、最大15点差をひっくり返して逆転勝利。順位決定R第1戦を終えて、日本、中国、レバンの3チームがアジア1位の可能性があるが、2勝しているのは日本だけ。今回の試合に勝てば、ほかの2チームの結果に関係なく五輪出場が決まる。
日本の対戦相手・カーボベルデはW杯初出場。人口約59万人とW杯に参加したチームで史上最も人口が少なく、世界ランクは64位と今大会参加チーム中で最も低いが、1次Rではベネズエラから記念すべきW杯初勝利を挙げ、実力を示した。楽観視できる相手ではない。とはいえ日本は自分たちのバスケを貫くだけ。すなわち粘り強くプレッシャーをかけて守り、素早く攻守を切り替え、3ポイント（P）シュートを積極的に狙っていく戦い方だ。
フィンランド戦で25得点9アシストと躍動し、勝利に大きく貢献した河村勇輝選手（横浜ビー・コルセアーズ／Bリーグ）。同じくフィンランド戦で7本中4本の3Pシュートを沈めた富永啓生選手（ネブラスカ大）。ベネズエラ戦で第4クォーターに3Pシュートを次々沈め、トータルで23得点、3P成功率85.7％と爆発した比江島慎選手（宇都宮ブレックス／Bリーグ）。4試合合計で全選手中6位の得点数と、2位のリバウンド数をマークしているジョシュ・ホーキンソン選手（サンロッカーズ渋谷／Bリーグ）。そして、攻守両面だけではなく、精神面でもチームを引っ張るエース・渡邊雄太選手（フェニックス・サンズ／NBA）。彼らを軸にチームが一丸となり、トム・ホーバスヘッドコーチの指示の下、持ち味を発揮すれば、試合を優位に運べるはず。ホームの歓声も大きな力になるだろう。開催国枠ではなく自力で五輪に出場したのは、1976年モントリオール大会が最後。ほぼ半世紀ぶりとなる快挙が達成される瞬間を見届けたい。
文／佐藤新
【放送・配信情報】
「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」
日本×カーボベルデ（順位決定戦）
【地上波】
■テレビ朝日系
9月2日 午後7：54～9：54
【配信】
■バスケットLIVE
https://basketball.mb.softbank.jp/
■バスケットLIVE for Prime Video
https://www.amazon.co.jp/gp/video/storefront?benefitId=basketlivejp&ref
※ハイライト、見逃し配信あり。
■DAZN
https://www.dazn.com/ja-JP/home
※8月25日～9月10日まで全試合を配信。
※日本代表戦は、全試合日本語実況解説つき。
※全試合ライブ配信を楽しむための関連コンテンツ「プレビュー番組」も配信。
※ライブ配信については、内容の変更または中止の場合あり。
