川崎競馬の厩舎、練習馬場 千葉・富津への移転検討 競馬場自体の移転は断念

千葉県への移転も含め検討する川崎競馬小向厩舎=川崎市幸区

 神奈川県川崎競馬組合は1日、川崎競馬小向厩舎(きゅうしゃ)と練習馬場(ともに川崎市幸区)について千葉県富津市を移転候補地として具体的な検討を進める方針を明らかにした。川崎市臨海部を候補地に川崎競馬場(同市川崎区)を含めた全施設の移転案も検討していたが、「インフラ整備に長期間を要するなど困難」と結論づけ、断念した。同日の組合議会臨時会で報告した。

 組合によると、多摩川沿いにある練習馬場は2019年10月の台風19号で水没。復旧までに数カ月を要した。隣接する厩舎にも水害が及ぶ懸念が指摘され、施設の老朽化も進んでいることから、一体的な再整備を求める声が上がっていた。

 川崎競馬場自体もコーナーがきつく、馬や騎手への負担を懸念する声があることに加え、現状よりも厩舎や練習馬場と近接した環境を望む意見があった。

 そこで組合は22年度、競馬場、厩舎、練習馬場の施設全体の在り方に関し、民間会社に調査を委託。全施設あるいは一部施設の移転案や、各施設の現在地での再整備案に関し、将来収支を踏まえた費用負担や移転候補地などを探った。

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