出産経て復帰のアメリカ女子代表MFジュリー・アーツが引退表明、15年女子W杯決勝ではなでしことも対戦

[写真:Getty Images]

8月31日、エンジェル・シティFCのアメリカ女子代表MFジュリー・アーツ(31)が現役引退を発表した。

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アーツは2014年のナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ(NWSL)のドラフト1巡目3位でシカゴ・レッドスターズから指名され、2021年までプレーした。

翌年はヒザの負傷と産休のためにピッチを離れたが、2022年8月の出産を経て2023年4月にエンジェル・シティで復帰。なでしこジャパンのMF遠藤純とチームメイトとなり、今季はリーグ戦7試合で1ゴールをマークしている。

アメリカ女子代表としても2015年カナダ女子ワールドカップ(W杯)、2019年フランス女子W杯と連覇を経験。今季のオーストラリア&ニュージーランド女子W杯ではチームはベスト16に終わったが、アーツは全4試合にフル出場した。

センターバックとボランチを兼任し、個人としても2017年、2019年と2度の全米最優秀女子サッカー選手選出。代表では通算122試合に出場し、20ゴール6アシストという数字を残した。

アーツは2023女子W杯後に代表引退を表明していたが、8月31日には自身のインスタグラムにて第一線から退くことも明らかに。「難しい感情と向き合った」が、「家族と離れて時間を費やすことはもはや不可能だと思いました」と、家族との時間を優先することを決めた。

「とても難しい感情と向き合いましたが、ブールを脱ぐという決断をしました」

「これまで関わったチームメイトやコーチ全員には、言葉では言い表せないくらい感謝しています。アスリートとしての日々は、互いに高め合い後押しをしてくれるチームメイトがあったからこそ可能でした。クラブ、サンタクララ、ユースチーム、NWSL、USWNTのチームメイト全員に『ありがとう』と伝えたいです」

「この半年は夢が叶ったようでした。妊娠後は、ワールドカップどころか、再び試合に戻るチャンスがあるかどうかも分かりませんでしたが、エンジェル・シティのスタッフや選手たちは、言葉では言い表せないほどのサポートでそれを可能にしてくれました」

「最高の自分になるためには、どれだけの犠牲が必要か知っています」

「(だからこそ)私が年齢を重ねて母親になった今、とても多くの要因が絡み合ってはいますが、家族と離れて時間を費やすことはもはや不可能だと思いました」

「選手たちは私に決して返すことのできない贈り物をくれました。おかげでプレーを息子と共有するという、私が望んでいた夢を実現することができました」

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