J2ジェフユナイテッド千葉は1日、今月3日午後7時開催のホーム・ロアッソ熊本戦に向けて非公開練習を実施。練習後にMF風間宏矢、GK鈴木椋大、小林慶行監督が報道陣の取材に応じた。
熊本は先月30日の天皇杯準々決勝でJ1ヴィッセル神戸をPK戦の末打ち破り、4強入りを果たした勢いのあるチームだ。だがリーグ戦は勝ち点34で20位と、降格圏と隣り合わせの危機的状況だ。
一方で千葉は14位藤枝MYFC、2位ジュビロ磐田と静岡勢を立て続けに破って勢いに乗っている。
熊本はJ2残留、千葉はJ1昇格と目指す先は違えど、勝利を欲している。千葉の指揮官、選手たちは決戦に向けて意気込みを語った。
毎試合決勝戦の気持ちで
小林慶行監督
――次は熊本戦ですが、改めて熊本のプレースタイルや印象を教えてください。
すごく攻撃的ですし、リスクを冒して前に出てくるところもそうです。守備でも前からしっかりとハメようとするというか、前からプレッシャーをかけて、それに対して前の選手にしっかりと後ろの選手が反応してついてくる。
決まった形はそれほど多くないのかもしれないですけど、選手たちの躍動感が生まれるようなサッカーを作り上げている監督。僕自身はすごくリスペクトしてますし、常に攻撃的なサッカーをし続けているところは見習うべき点がすごく多いチームだと自分自身は思っています。
――熊本は天皇杯で神戸に勝ちました。勢いを持って乗り込んでくると思いますけど、気を付けたい、注意したい点があれば教えてください。
本当に僕自身もそう思います。やはり彼らにとってチーム史上初というようなところもありますし。
カップ戦でベスト4は僕自身も選手、コーチとしても経験はありますけど、チームとしての雰囲気がより一層高まってくるところは絶対にあると思うので、間違いなく勢いを持ってくるだろうなと思っています。
――リーグ戦も残り10節になりました。上位まで勝ち点差が詰まってきていると思います。残り10試合に向けてその意気込みを教えてください。
数試合前からですけど、自分たちは毎回決勝戦のつもりだというところは共有してます。
まさに後がないというような状況で戦い続けていることが現状です。それは自分たちの目標に対してというところで、それはもう結局リーグ戦が終わるところまで変わりません。
そのための準備を毎試合、目の前の1試合、1試合、しっかりと自分たちがパワーを出していくスタンスは変わらない。いままで通りしっかり継続していくのみだと思います。
守護神が熊本の勢いを止める
鈴木椋大
――週末熊本戦を迎えます。熊本の印象などあれば教えてください。
熊本は真ん中に人がすごく多い。サイドからのコンビネーションで中に入ってくる選手もいれば、クロスに対して人数をかけてくるイメージがある。
そこは、しっかりサイドの1対1や2対2の状況になったときに、そこで負けない部分やセカンドボール…。相手が縦パスを入れてきたあとの落としのボールを、ボランチとセンターバックが潰せるぐらいの位置にいれば、上手く自分たちのゲームに持っていけるのかなと思います。
―—その中、相手は天皇杯に勝って勢いに乗っていると思います。勢いのあるチームと対戦するときに、注意したいことはありますか。
自分たちがやることは何も変わらないです。
相手が天皇杯で神戸に勝っていい雰囲気の中、そのままの勢いで乗り込んでくることはもう分かっていること。ただ自分たちがそれを受けてしまったら絶対ダメだと思う。自分たちも絶対負けられない状況に置かれているので。
そこで自分たちが変にそれを意識してやり方、入り方を変える必要はないと思う。いままで自分たちが積み上げてきたものを、しっかりと笛が鳴った瞬間から出せるようにみんなで、そんなに意識せず入れたらいいと思います。
――リーグ戦は残り10試合になります。チーム、個人としての意気込みはありますか。
チームとしては勝点3しか求められてない状況でもあります。正直この9月は難しい相手…。チームに特徴があるチームが続くと思うし、自分たちより順位が下のチームに対して絶対取りこぼせない。10節全部そうですけど、全部勝てるよう1つでも多く無失点で終われるように意識してやっていきます。
本当にいま見に来てくださる方もすごく増えてきてるので、その流れをフクアリやアウェーでそういう人たちと一緒に喜べる試合をどんどん増やしていきたいなと思ってます。
5試合4得点の司令塔が岐阜時代の恩師を破る
風間宏矢
――チームが勝利を重ねている中、熊本戦を迎えます。熊本の印象などを教えてください。
もちろん僕もすごく尊敬している大木さん(FC岐阜時代の恩師)…。自分も指導してもらった大木さんのチームなので。
しっかり大木さんのチームだなという…。大木さんはどこで監督をやっても自分の色がしっかり出るので、大木さんのサッカーだなという印象。相手としてやるときには、本当にすごく嫌な相手だなと思っています。
――熊本はリーグ戦だと、4分7敗と勝てていない状況です。ただ天皇杯準決勝では神戸とPK戦の末勝ち上がった状況です。一発勝負で勝ち上がって結果を残してきた相手との対戦します。気持ちの上で気を付けていることはありますか。
もちろん天皇杯のベスト4はすごいことですし、羨ましいなとも思う。勝ったことは、とにかく素直にすごいなと思ったんですけど、神戸に勝ったからとか、相手は関係ないです。
ただそこの場にいれるということは、マグレでは絶対にいけない。ちゃんと力があるチーム。いまの順位が低かったり、後半戦であんまり勝っていないチームというだけで、歯車が合えば絶対力があるチーム。
そういった意味ではあまり特別なものはないですね。絶対やりにくい相手という印象しかないです。
――いまの熊本はかなりボールを持つところがあるため、ジェフとしては組みやすいと思います。
やってみないと、こればっかりは分からない。そんなにこの相手だからやりやすそうという相手も正直いない。
ただボールをしっかりと持ってくるチーム、自分達が主体となって仕掛けてくるチーム。そこを好きにやらしてしまうと、クオリティーのあるチームなので、そこを簡単にやらせない。
逆に自分たちがそれ以上のクオリティーを出せるようにしなきゃいけないなと思っています。
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泣いても笑っても残り10試合―。現在11位の千葉はJ1参入プレーオフ圏内6位の大分トリニータとの勝ち点は4点差だ。選手たちは今シーズン2度目の3連勝に向けて熊本にすべてをぶつける。