LRT平日利用は1万2000人 開業から1週間 ダイヤ安定に課題

LRTを使って通勤するホンダの従業員ら=1日午前8時、芳賀町下高根沢

 次世代型路面電車(LRT)の宇都宮芳賀ライトレール線の開業から、2日で1週間となった。運行会社の宇都宮ライトレールによると、平日の利用は通勤・通学客を中心に約1万2千~1万3千人だった。事前の需要予測の約1万6千人を下回っているが、同社は「順調な滑り出し」としている。ただ乗客の1割が現金払いのためダイヤの乱れが時折発生しており、定時性の確保が当面の課題だ。1日は芳賀工業団地に研究・開発拠点を置くホンダが企業バスを廃止し、早速LRTで通勤する従業員の姿が見られた。

 宇都宮ライトレールによると、乗客は午後から営業運転を始めた開業日の8月26日が約1万人、翌27日が約1万9千人。28、29日は各約1万3千人、30、31日は各約1万2千人。日曜日の27日は特に混み、昼間にダイヤの大きな乱れが生じた。乗客の1割ほどが現金払いで、ワンマンの運転士が対応に追われたためだ。本来は持ち主の乗降にしか利用できないICカードで、保護者が子どもの運賃も払おうとして時間を要するケースもあった。

 同社の担当者は「初めて乗る方が大半で、乗り降りに戸惑う方も多かった。いろいろな条件が重なった」と振り返り「ICカード利用の呼びかけなど円滑な乗降を周知する」と話す。

 一方、終点の芳賀・高根沢工業団地停留場では1日朝、企業バスからLRTに切り替えて通勤するホンダ従業員の姿が見られた。通勤時間帯は本数が多いことに加え、手前の停留場もホンダ関連の従業員が利用するため、終点の降車人数は午前7時台で30~50人、8時台も50~60人ほどと目立った混雑はなかった。

 宇都宮市東宿郷1丁目、ホンダ社員篠崎敏(しのざきさとし)さん(52)は「バスならJR宇都宮駅から30分ほどで着くので多少時間がかかった。早めに並んだので座れたが、ほぼ満席だった。フレックス勤務などを活用し、不便を感じない時間帯を見極めたい」と話した。

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