遊具ロープで男児窒息…久喜市、重大事故で検証委設置 来年1月に報告書 負傷の男児、現在は通院治療に

男児が負傷した土山=5月2日午後5時半ごろ、埼玉県久喜市栗橋東

 5月に埼玉県久喜市内の民間保育園で当時3歳の男子児童の首にロープが巻き付き一時意識不明になった事故で、市は「特定教育・保育施設等重大事故検証委員会」を設置、8月31日、同市役所で第1回の委員会が開かれた。

 同市は事故を受け、再発防止に向け、条例に基づく委員会を設置。今後月1回のペースで委員会を開催し、来年1月に報告書を提出、公表する。

 事故は5月2日午前、同市栗橋東の「なずなの森保育園」で起きた。園庭の山で遊んでいた児童の首にロープが巻き付き、児童は病院に搬送され一時意識不明になった。現在退院し、通院で治療しているという。

 検証委員会では、弁護士、医師、学識経験者、保育園を運営する専門家2人の計5人を委員に委嘱。増田まゆみ元東京家政大教授が委員長に選出された。市がこれまでの調査概要や特別指導監査の結果を説明。梅田修一市長は「再発防止策等の提言を踏まえ、事故防止への取り組みを徹底し保護者の保育行政に対する信頼を確保したい」としている。

 同市によると事故直前、山の周りには園児4人がいたという。保育士2人が山の上と下にいて児童を見守っていたが、園児1人が別の場所に移動したことをきっかけに、保育士2人もその場を離れた。保育士の目が届かない中で、事故が起きたとされる。

 保育園は現在、保育士の視野を確保するため山を低くしたり、園庭を見守る保育士を増やすなど、体制を強化しているという。

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