V長崎 J1昇格へ正念場 あすホームで6位大分戦 プレーオフ圏内、リーグ戦残り10節

夏の移籍で5年ぶりに復帰し、攻撃を活性化させるV長崎の中村(右)=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 サッカーJ2は残り10節となり、J1昇格争いが佳境を迎えている。V・ファーレン長崎は通算14勝8分け10敗(勝ち点50)でプレーオフ圏内(3~6位)の暫定5位。自動昇格できる2位との勝ち点差は7で、十分に可能性を残す。V長崎は残り10試合のうちホーム戦が6試合。クラブ、チームはもとより、ファン、サポーターの力も結集して、6年ぶりの昇格をつかみ取りたい。 

◎守備面に課題
 前半戦は第9節からの5連勝もあり、10勝5分け6敗(勝ち点35)の4位で折り返した。攻撃面は2013年のJ2参入後最多の30得点、守備面はリーグ4位タイの21失点とまずまずの結果を残した。後半戦はやや失速し、ここまで4勝3分け4敗。大量点を失う試合もあり、計19失点と守備面で課題を残す。
 失点を繰り返した要因の一つとしてカリーレ監督が挙げるのが「前線から最終ラインまでのコンパクトさの欠如」。この点は練習で意識的に取り組んで改善しつつあり、「あとは試合で勇気と自信を持って最終ラインを高く保つだけ」と選手に奮起を促す。

V長崎のリーグ戦日程

◎積極的な補強
 夏の移籍市場では積極的に動き、即戦力を4人補強した。6月末にJ1柏から中村が約5年ぶりに復帰したほか外国籍3人が加入した。一方、下部組織出身で3年目の五月田がJFL滋賀に期限付き移籍するなど6人が活躍の場を移した。
 中村はボランチやトップ下など複数ポジションをこなす。前線を流動的に動き回って攻撃を活性化させ、加入後6試合で2得点3アシストと結果を残している。マルコスは左サイドで起点になり、マテウスは出場2戦目の前節大宮戦で米田のゴールをアシスト。カリーレ監督は「まだ連係面の課題はあるが、試合を重ねるごとに良くなっている」と手応えを口にする。第31節栃木戦以降は新戦力の特徴を生かすため、4-3-3のシステムを初めて採用した。
 大宮戦は米田とエースのフアンマが2点ずつを奪い、4試合ぶりの白星。フアンマは得点ランクトップの計19得点と調子を上向かせ、チームも勢いを持って残り10節に臨める。まずは3日の第33節で6位大分をホームに迎える。その後も群馬、町田、磐田、甲府と昇格を争う上位チームとの対戦が続くが、ホーム戦が多い利点も生かして、終盤の13戦負けなしで自動昇格を勝ち取った17年シーズンを再現したい。
 2位から9位までの勝ち点差は「10」。最終節までもつれそうな昇格争いに、中村は「(どの試合も)先制点がカギになる。9月は上位直接対決が3試合で勝負の月。勝って一体感を高めたい」と気合を入れる。

© 株式会社長崎新聞社