福祉の力で駅を元気に! 長崎・ながよ光彩会 カフェ運営や乗降介助 JR九州、町と協働 

カフェ機能などを備えたグッドステーション=JR長与駅

 JR長崎線の長与駅(長崎県西彼長与町吉無田郷)を中心に地域のにぎわいを創出しようと、社会福祉法人ながよ光彩会(貞松徹理事長、同町本川内郷)は1日、JR九州と同町の3者で協働事業を始めた。駅構内に障害者と連携したカフェ施設を新設し、駅員不在の時間帯には乗降介助などの業務を担う。福祉のノウハウを駅運営に生かす。
 JR九州が民間事業者と協力し駅や線路を活用して地域活性化を目指すプロジェクト「九州DREAM STATION」の一環。県内では初の事例。
 長与駅は昨年3月から、業務効率化のため午前7時半~正午のみ駅員が駐在し、それ以外の時間帯は無人だった。簡易委託契約を結ぶことで、今後は同町で高齢者福祉施設などを運営する同法人の職員が正午~午後7時に、車いすや目の不自由な人などの乗降介助、清掃、案内や改集札といった一部業務を担う。
 町が管理していた駅構内のコミュニティーホールも改装した。「GOOOOOOOD STATION(グッドステーション)」の名称で、既存のイベントスペース機能に加え、新たにカフェやショップの役割を追加した。販売する商品の製造には同法人の施設に通所する障害者や入居する高齢者が携わるほか、将来的には障害者が働く場としての活用も見込んでいる。

協定を交わした(左から)貞松理事長、吉田愼一町長、岸本悟JR九州長崎支社長=JR長与駅

 同日、長与駅で協定締結式があり、貞松理事長は「商品の製造や販売、接客などを通じて、いろいろな個性や障害を持った人が当たり前に一緒に働き、過ごすことができる場にしていきたい」と抱負を語った。
 乗降介助は原則、JR九州への事前連絡が必要。グッドステーションの営業時間は午前11時~午後7時で、常駐する2人の従業員が乗降介助などの業務も担う。

© 株式会社長崎新聞社