獅子が炎駆ける 射水・二口熊野社の火渡り勇壮に

炎の中を駆け抜ける獅子=射水市二口の二口熊野社

  ●4年ぶり通常開催

 射水市二口の二口熊野社で2日、秋季祭礼の火渡り神事が行われた。百足(むかで)獅子を担いだ二口青年団員らが赤々と燃え上がる炎の中を勇壮に駆け抜け、地元住民や見物客が大きな拍手を送った。

 コロナ禍だった昨年は、例年3頭の獅子を1頭にするなど感染対策を講じて開催したが、今年は朝から3頭の獅子と神輿(みこし)が二口地区の520世帯を回って氏子を厄払いするなど、4年ぶりに通常開催となった。

 地区を回った獅子は夕方に同神社の鳥居前に姿を見せた。約2メートルの高さに積まれた稲わらに火がつけられ、天狗に続いて3頭の獅子が次々と走り抜けた。最後に神輿が残り火の上を通り、観衆は歓声を上げたり、写真を撮ったりした。

 二口熊野社の高橋邦雄代表総代(73)は「火渡りは自治会が一つにまとまる大切な祭り。しっかり継承していきたい」と話した。

 不動明王信仰による神仏混交の行事として知られ、百足獅子が地区内を巡って集めた邪気を火で焼き払う意味が込められている。

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