若者、清新なもてなし 金沢で全国学生大茶会開幕

金大茶道部員の清新な一服を堪能する来場者=2日午前11時15分、金沢21世紀美術館の松涛庵

  ●10会場に28大学240人、加賀茶道の地に集う

 全国学生大茶会(石川県茶道協会、北國新聞社特別協力)は2日、金沢市内で2日間の日程で開幕した。初日は地元の金大、金沢学院大、金沢美大を含む16大学の茶道部が、藩政期から受け継がれる「加賀茶道」の地に集った。市中心部の10会場に茶席が設けられ、県内外の愛好家は学生の清新なもてなしを堪能した。

 茶会は新型コロナの5類移行に伴って4年ぶりの通常開催となり、全国28大学の約240人が参加した。金沢学生のまち市民交流館が会場として新たに加わり、昨年より800席増の1768席が用意された。

 金沢21世紀美術館の松涛庵(しょうとうあん)では、金大茶道部の12人が立礼席を設けた。床には「和敬清寂(わけいせいじゃく)」の軸を掛け、残暑厳しい折とあって、ギヤマン切子の水指、ガラスの菓子器など、あえて夏の茶道具を使って涼を誘った。

 1席目には村山卓市長や県茶道協会役員ら地元の茶道関係者が出席した。席主を務めた熊谷颯太さん(2年)は「お客が話しかけてくださったおかげで緊張が解け、気持ちよくお点前ができた」と笑顔を見せた。

 しいのきプラザでは金沢学院大、鳥取大、池坊短大が合同で席を設けた。お点前を披露したタイ出身で池坊短大のウォンシャリョウ・タナワットさん(2年)は「緊張したけれども、金沢でもてなしができて非常にうれしい」と話した。

 金沢美大は旧園邸で午後から2席を務める。

 3日も引き続き10会場で行われる。午前10時、11時、午後0時半、1時半からの4席が設けられる。当日券は1席500円。定員が埋まり次第、受け付けを終了する。

  ●金沢32.2度、7地点で真夏日

 2日の石川県内は高気圧に覆われたが、前線の影響を受け、おおむね曇りとなった。正午までの最高気温は各地で前日と比べて2~3度低く、金沢32.2度、小松32.1度など7観測地点で真夏日となった。

 県内各消防によると、加賀市で屋内にいた80代女性が熱中症の疑いで救急搬送された。軽症の見込み。

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