「越中八尾おわら風の盆」は2日目の2日も、天候に恵まれ、会場の富山市八尾町中心部に多くの見物客が詰め掛けた。編み笠(がさ)を目深にかぶった男女の踊り手、地方衆による町流しや輪踊り、舞台形式の踊りが繰り広げられ、素朴さの中に光る気品あふれる舞と音色に見物客が見入った。おわら風の盆行事運営委員会によると、2日目の人出は8万人で、昨年より3万人増えた。
夕方から、おわらを担う11町が次々と町を流し始めると、坂の町は次第に熱気を帯びた。見物客は初日よりも多く、演舞が行われていない通りも大混雑。石造りの「おたや階段」下の広場では午後7時40分ごろから、鏡町が舞台形式の踊りを披露し、広場を囲んだ大勢の観光客がしっとりと優美な所作に見とれた。
今年の風の盆は新型コロナウイルス対策による行動制限がなく、4年ぶりの本格実施。ただ、前夜祭や各町の競演会「おわら演舞場」を昨年に続いて取りやめ、町流しの時間を短縮するなど規模を縮小しており、未来へと続く行事の適性運営を検討する年に位置付けている。