3年生、夏物語2023 ホッケー女子 日の丸を背負い、全試合で得点を狙う松村瑞羽(玖珠美山3年) 【大分県】

玖珠美山の女子ホッケー部の松村瑞羽(3年)が、U-18女子ユース日本代表に選ばれ、4日から日韓交流試合に出場する。スピードを武器とする点取り屋は「日の丸を背負ってプレーする限り、責任を持って試合に臨みたい。自分のスピードがどれだけ通用するか試したい」と意欲をみせた。

小学1年からサッカーを始めた松村は、足が速く、身体能力が高かった。中学3年時にチーム大分ジュニアアスリート発掘事業でボートやカヌー、ホッケーなどの競技を体験し、サッカーで身に付けた空間把握力とゴールを奪う嗅覚を生かせるホッケーで「日本一を目指そう」と誓った。高校は県内で唯一の女子ホッケー部がある玖珠美山に入学し、本格的に競技を始めた。

U-18女子ユース日本代表に選出された松村瑞羽

当初はスティックさばきの技術差に落胆した。「自分はホッケーの才能がない」と落ち込む日々が続いたが、練習後に1時間半の自主練習を課した。サッカーを始めた頃もうまくボールを扱えないことはあったが、基礎である「止める、蹴る、運ぶ」練習を何度も繰り返し、体に染み込ませた。サッカーの経験をホッケーに置き換え、地道な練習を繰り返す。3カ月経った頃には、スティック1本でドリブルやパスを重ねて、電光石火のごとくシュートを放つホッケーの魅力に取りつかれていた。

試合に出るようになってから、点取り屋の能力が覚醒するまでに時間は要さなかった。前線からボールを追い、奪ったら自らドリブルで運び、シュートを放つ。攻撃的なプレーは日本代表関係者の目に留まり、昨年10月に初めてU-18日本代表の合宿に参加して以降、継続的に選出されるようになった。代表の活動は松村の才能をさらに引き出した。「技術が高く、プレーの質も高い。パスの精度、決定力。あとは攻めだけでなく守り。相手より一歩先に戻れていたら防げたというのを一緒にプレーしていて感じた。代表の選手はそういった細かい部分をしっかりできている」とディテールにこだわるようになった。

日韓交流試合では「全試合で得点を取る」と宣言。推進力をアピールし、U-21ジュニア日本代表、そしてシニア日本代表「さくらジャパン」で五輪出場を目指す。

「日韓交流試合では全試合で得点を決めたい」と語った

(柚野真也)

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