新潟県南魚沼市で9月3日、70代夫婦がクマに襲われ、人身被害が出た。2023年秋はクマの餌となるブナの実が凶作と予測され、新潟県が独自のクマ出没警戒警報を9月1日に出すなど、自治体が警戒を強めたばかりだった。県は3日、「生ごみを放置しないなど一人一人が対策を徹底してほしい」と改めて呼びかけた。
* [新潟南魚沼市の畑にクマ、70代夫婦2人が襲われけが](https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/274800) * [新潟県にクマ出没警報発令中](https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/274106)
新潟県によるブナの実の豊凶調査では、2023年秋は県全体で凶作と見込まれ、餌を求めてクマが奥山から人里に出没する可能性が高いとみられる。
凶作だった2020年度の人身被害は17件21人と過去最多だった。被害はいずれも9月以降で、関川村では農作業中の70代女性が襲われ頭部などを負傷し、その後に死亡。死者が出たのは19年ぶりだった。
2020年度の教訓から、県は被害が多発する前に警報を発令。クマが出没した場所には近寄らず、音の鳴るものやクマ撃退スプレーを携行するよう注意を促している。
県鳥獣被害対策支援センターは「人里に餌が豊富にあると学習したクマを撃退するのは、容易ではない」と指摘。根本的な解決策が必要だとした上で「まずは餌となる柿や栗などの果実を外に放置しないなど、各世帯で注意してほしい」と訴えている。