【カンボジア】農業振興に1億ドルの予算計上、業界も歓迎[農水]

カンボジア政府は、農業の振興に向けて1億米ドル(約145億円)の予算を計上したと発表した。かんがい設備の整備や農業技術者の研修などを進める方針だ。クメール・タイムズ(電子版)が8月31日に伝えた。

フン・マネット新首相は8月29日に開催された労働者との会合で、水稲や精米、野菜や果物など農産物の生産性を向上させるため、政府は1億米ドルの予算を割り当てたと説明。かんがい設備の改善に加え、輸出産物の育成促進などに向けた農業従事者の技術力向上を推進していきたいと述べた。

さらにフン・マネット首相は、農業全体の水準を引き上げ、農作物の価格下落を防ぐには、政府職員の協力が不可欠になると指摘。現場に担当職員を派遣するとともに、農家に技術的な指導ができる職員の採用にも力を入れていく必要があるとの考えを示した。

農業関係者は、政府による予算割り当てを歓迎している。カンボジア・コメ連盟(CRF)のルン・イェン事務局長は、フン・マネット首相が就任当初の演説で農業への支援を打ち出した意義は大きいと述べた。カンボジア・カシューナッツ協会(CAC)のウオン・シロット会長は、政府が農業を重視する方針を表明したことで、農家への融資に消極的な金融機関の意識改革につながることに期待を示した。

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