お試しのつもりが…定期購入トラブル相談が1.6倍 福井県消費生活センター2022年度まとめ 高齢者多く泣き寝入りも

 福井県消費生活センターがまとめた2022年度の消費生活相談概要によると、定期購入に関する相談件数が前年度比約1.6倍の291件に上った。高齢者からの相談が多く、インターネット通販などで「お試しのつもりが定期購入だった」「解約したいのに業者に電話がつながらない」といった相談があった。センターは注文前に契約内容をよく確認するよう注意喚起している。

 トラブルとなる商品は化粧品や健康食品がほとんど。平均契約額は1万6千円ほどで、泣き寝入りする消費者も多いという。「1回限りの注文だと思っていた」「解約するには『5回購入が条件』と言われた」といった相談が寄せられた。

 年代別では60歳以上の高齢者が大きく増加し、全体の57%を占めた。60代が前年度比40人増の81人、70代以上が同48人増の85人。センターは「ネット通販に不慣れな高齢者がトラブルに遭いやすいのでは」とみている。

 昨年6月に施行された改正特定商取引法によって、事業者は解約条件など契約内容について明確に表示することが必要となり、誤認させる表示により申し込んだ消費者は、契約を取り消すことができる。だが相談者自身が十分に確認せず、返金させることが難しいケースも多いという。

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 センターは対策として▽「初回無料」といった広告の見出しだけで注文を決めない▽契約の詳細を確認する▽解約の際の連絡手段を確認する▽申し込み画面を保存する-などを挙げ「ネット上の甘い言葉をうのみにしないでほしい。購入の際は画面をコピーするなど証拠を残して」と呼びかけている。

 22年度にセンターに寄せられた相談件数は3287件で、前年度比98件増。項目別では「契約・解約」が最多の1930件で、全体の58.7%を占めた。昨年4月に成人年齢が18歳に引き下げられたが、18、19歳の相談件数は計28件で前年より8件減った。

 電話相談は消費者ホットライン188。

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