アレックス・パロウが自身2度目のタイトル獲得【順位結果】インディカー第16戦決勝ポートランド

 9月3日、アメリカ・オレゴン州にあるポートランド・インターナショナル・レースウェイでNTTインディカー・シリーズ第16戦の決勝が行われ、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)が優勝を飾った。

 気温30度に到達した予選日とは打って変わり、迎えた決勝日は厚い雲に覆われ、気温20度、路面温度26度程度に留まる涼しいコンディションとなった。

 スタートでは、フロントロウの2台が順当に1コーナーへ入っていき、ポールスタートのグラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン)がホールショットを奪う。

 その背後では、5番手スタートのパロウがイン側に上手くポジショニングし、3番手浮上に成功した。

 3周目には、7番手を走行していたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が単独スピンを喫し、レースは早くもフルコースコーションが導入となった。

 レースは7周目に再開。トップのレイホールは2番手のスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)に対し約2秒のリードを保ちながら周回を重ねていく。

 18周目には、4番手のコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)をはじめとするソフト寄りのオルタネートタイヤ勢が摩耗に苦しんでいる様子で、軒並みピットインを開始した。

 2番手のマクラフランは22周目、首位のレイホールは23周目にピットインを行い、オルタネートタイヤからハード寄りのプライマリータイヤへと変更し、そのままの順位でコースに復帰している。

 30周目になると、プライマリータイヤ勢もピットインを開始。タイトルを争うパロウとスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)も、パロウが31周目、ディクソンが32周目にピットへ向かう。

 パロウはオルタネート、ディクソンは引き続きプライマリータイヤへと交換。プライマリータイヤでスタートした2台はトップ集団をオーバーカットすることに成功し、ワンツー体制でコースへ復帰してセカンドスティントへ臨む。

 パロウはスティント序盤、オルタネートタイヤを活かして38周目付近ではディクソンに5.8秒のリードを築く。

 しかし、パロウをもってしてもこの日のオルタネートタイヤの管理は難しいようで、徐々にペースダウンが始まってしまい47周目にはディクソンとの差が1秒ほどにまで縮まった。

 翌48周目には、パロウはたまらず2度目のピットインを選択し、プライマリータイヤへと交換を行う。

 これで首位はディクソン、2番手にはフェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレン)が1秒以内に続き、スタートから一貫してプライマリータイヤを履き続ける2台がレースをリードする展開となる。

 タイヤを新たにしたパロウは息を吹き返し、60周目にディクソンがピットへ向かうと再度トップを奪い返すことに成功した。

 一方のディクソンは、このタイミングでオルタネートタイヤを投入。ソフトタイヤで追い上げを狙うも、一旦のペースではパロウに軍配が上がり、70周目時点で2台のギャップは10秒ほどに広がった。

 しかし、71周目以降は2台のペース攻勢が徐々に入れ替わり、ディクソンがその差を詰め始める。

 79周目にトップのパロウはピットへ向かい、プライマリータイヤを装着して最終スティントへ。81周目にディクソンもピット作業を行ってプライマリータイヤへ交換する。

 迎えた84周目、19番手を走行していたアグスティン・カナピノ(フンコス・ホーリンガー・レーシング)がオーバースピードか単独スピンを喫してしまうアクシデントが発生。

 この隙に、トップに立っていたローゼンクヴィストがピットイン。一貫してプライマリータイヤを使用してきたローゼンクヴィストは、ここでオルタネートタイヤを装着して2番手に復帰。このタイミングでレースは、今回2度目のフルコースコーションが導入となった。

 レースは89周目に再開。オルタネートタイヤを履く2番手ローゼンクヴィストは、首位奪取をめがけてプッシュするもパロウに近づくことは叶わず。パロウは最終的に5.4353秒のリードを築き、チェッカーフラッグを受けた。

 これでパロウは今季5勝目を飾り、最終戦を待たずして自身2度目のシリーズタイトル獲得を決めた。

 2位は、最後までオルタネートタイヤを温存したローゼンクヴィストが入り、3位には、惜しくもタイトルを逃すこととなってしまったディクソンが続いた表彰台となった。

■NTTインディカー・シリーズ第16戦ポートランド決勝結果

Pos. No. Driver Team Engine Laps/Gaps SP

1 10 A.パロウ チップ・ガナッシ H 110 5

2 6 F.ローゼンクヴィスト アロウ・マクラーレン C 5.435 11

3 9 S.ディクソン チップ・ガナッシ H 8.066 4

4 5 P.オワード アロウ・マクラーレン C 19.0572 6

5 2 J.ニューガーデン チーム・ペンスキー C 21.0831 12

6 21 R.ヴィーケイ エド・カーペンター・レーシング C 21.8799 13

7 8 M.エリクソン チップ・ガナッシ H 30.5820 10

8 18 D.マルーカス デイル・コイン・ウィズ・HMD H 32.6211 23

9 3 S.マクラフラン チーム・ペンスキー C 33.0282 2

10 27 K.カークウッド アンドレッティ・オートスポート H 33.7836 16

11 45 C.ルンガー レイホール・レターマン・ラニガン H 34.4757 17

12 15 G.レイホール レイホール・レターマン・ラニガン H 38.6995 1

13 26 C.ハータ アンドレッティ・オートスポート H 39.7582 3

14 06 H.カストロネベス メイヤー・シャンク・レーシング H 40.3373 21

15 77 C.アイロット フンコス・ホーリンガー・レーシング C 40.4769 8

16 14 S.フェルッチ A.J.フォイト・レーシング C 41.1279 22

17 29 D.デフランチェスコ アンドレッティ・スタインブレナー H 42.5578 20

18 30 J.ビップス レイホール・レターマン・ラニガン H 1Lap 18

19 11 M.アームストロング チップ・ガナッシ H 1Lap 14

20 7 A.ロッシ アロウ・マクラーレン C 1Lap 9

21 20 R.ハンター-レイ エド・カーペンター・レーシング C 1Lap 25

22 55 B.ペデルソン A.J.フォイト・レーシング H 1Lap 26

23 51 S.R.ロブ デイル・コイン・ウィズ・RWR H 1Lap 24

24 60 T.ブロンクビスト メイヤー・シャンク・レーシング H 1Lap 27

25 12 W.パワー チーム・ペンスキー C 2Laps 7

26 78 A.カナピノ フンコス・ホーリンガー・レーシング C 28Laps 19

27 28 R.グロージャン アンドレッティ・オートスポート H 79Laps 15

© 株式会社三栄