富山県小矢部市道明の正得神社(越野光則宮司)の改築した手水舎の落成式が3日、同神社の例大祭に合わせて行われた。となみ野建築(砺波市)の社員で大工歴2年5カ月の井川心(いがわじん)さん(20)が棟梁としての初仕事で手がけたヒノキ造り。井川さんは「無事に組み上がって安心した」と話した。
1950年に建てられた手水舎の老朽化が進んだため、同社に改築を依頼。同社の平井健司代表(52)は井川さんの努力と責任感を評価し、若手の育成も目的に、設計から現場指揮までを一手に担う棟梁に指名した。
材料のヒノキは地元の長島木材が寄進。井川さんは和やかな雰囲気を醸すように屋根の傾斜を緩くするなど設計を工夫し、くぎに頼らず木を組む伝統技術を使って仕上げた。完成した手水舎を眺めた平井代表は「棟梁のスタートとしては合格」と話し、井川さんは「受け継がれてきた技術を自分のものにする努力を続けたい」と意気込んでいた。