窮地に追い込まれたヤマハ、決勝でとった苦肉の策は「昨年と同じセッティングとフェアリング」/第11戦カタルーニャGP

 9月3日、2023年MotoGP第11戦カタルーニャGP MotoGPクラスの決勝がカタロニア・サーキットで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPのファビオ・クアルタラロは7位、フランコ・モルビデリは14位で終えている。

 決勝日も引き続き厚い雲が空を覆う天候となり、朝のウォームアップでは時折レッドフラッグが振られる展開となった。そんななか、予選とスプリントで苦戦を強いられていたヤマハ勢だが、モルビデリが3位、クアルタラロが4位と上位で終え、好調な走り出しを見せた。

 初日には、クアルタラロが前戦のオーストリアGPとは違う仕様のロングエキゾーストをテストしながら走行を重ねていた。しかし、予選日には採用されず、そのほかにも様々なパーツを試していたようだが、どれも効果は感じられなかったようだ。そこで、クアルタラロは2022年仕様のセッティングとフェアリングに戻して、決勝レースに挑んだ。

 そして、午後にはドライコンディションで決勝レースが始まった。ところが、オープニングラップで多重クラッシュが発生し、赤旗中断となってしまう。そのあと、1周減算の23周で全20台によって再スタートが切られた。

 再スタート後、クアルタラロは抜群のスタートで一気に10番手に浮上。そのあと早々にマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)を捉えて、前を走るジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)を追撃する。何度かクアルタラロがミラーに仕掛けて前に出るが、両者譲らずのバトルが繰り広げられ、17周目でようやく捉えて7番手に順位を上げる。アレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)に迫る走りを見せたが、そのまま7位シングルフィニッシュとなった。

 モルビデリは、スタートで12番手まで上げたが、すぐさま集団に飲み込まれて15番手に後退してしまう。転倒が相次いだこともあり、モルビデリは14番手にポジションを上げる形となった。以降は単独走行となってしまったが、タイヤコントロールに集中しながら走り切り、14位でチェッカーを受けた。

■ファビオ・クアルタラロ(決勝:7位)
「今日は昨年のセッティングに戻し、昨年と同じフェアリングを装着して臨んだ。どちらも大きな効果を発揮してくれて、今日は素晴らしいレースができたと思っているよ。スタートも良かったし、そのあとの数ラップも非常に順調で、最大限の順位を獲得することができた。この3日間はひたすら静かに、落ち着いて、懸命に仕事に取り組んだよ」

「そして高い成果を得ることができたけれど、まだたくさんの課題が残っている。次のミサノでより多く情報を収集し、今後何をすべきかについて100パーセントの確信を得たいと思っている。全体的にはかなり厳しいウイークだったけれど、少しずつ前進できているとすれば、それが非常に大切なことだと考えているよ」

■フランコ・モルビデリ(決勝:14位)
「もっと悪い結果を予想していたんだ。というのも、再スタートでは、ほとんどのライダーが新品タイヤに履き替えていたのに対し、僕はそうではなかったからだ。ライバルたちに比べて大幅にポテンシャルが劣っている状態だったけど、そのなかでも最大限の力を尽くそうと頑張ったよ。マルク・マルケス選手に近づくことができたけれど、結局のところ、今日は思うようにプッシュしきれないまま終わってしまった」

ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/2023MotoGP第11戦カタルーニャGP 決勝
ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/2023MotoGP第11戦カタルーニャGP 決勝
フランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/2023MotoGP第11戦カタルーニャGP 決勝
フランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/2023MotoGP第11戦カタルーニャGP 決勝
フランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/2023MotoGP第11戦カタルーニャGP 決勝

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