【部活どうなる(番外編)読者から賛否の声】続く「不公平」…描かれた未来図との乖離すでに 新たな課題も

地域部活動について市教委らの説明を聞く保護者や生徒=2022年9月、埼玉県白岡市

 教員の多忙や少子化の影響で見直しが迫られている中学校部の活動。埼玉新聞は6~7月、連載「部活どうなる」を3部にわたって掲載し、県内の現状を取り上げてきました。連載に関するご意見やご感想をメールや手紙で募集したところ、県内外問わず読者の皆さまからさまざまな反響が寄せられました。現役・退職教員、保護者、スポーツ関係者など多くの方が関心を持っている様子がうかがえます。その中から一部を紹介します。

■非行の増加が心配/60代男性

 退職教員です。現職時代は運動部をずっと持っていました。中高に部活動は必要です。部活動をやらない生徒が多くなると、心配なのが非行の増加です。時間と体力を持て余した生徒を受け入れるものがなくなると、どんなところに出て行くのか分かりません。

 次に教員が忙し過ぎて部活指導ができないということ。しかし、自ら進んでやっている教員も少なくはありません。忙しいという理由以外に部活をやりたくない教員も少なくはありません。多忙さをなくすなら教員の数を増やして負担を減らすことでしょう。部活問題も本筋から目をそらされているような気もします。

 実際にあったことですが、外部指導員で一番多いのが男性のセクハラです。顧問は学校と被害者、親との対応に追われて大変そうでした。

 やはり部活動は学校主体が生徒にとっては一番だと思います。合宿や遠征をするので同じ釜の飯を食い、同じ部屋で寝泊まりする仲間は一生の付き合いになります。

■新2年生はみんなやめた/40代主婦

 部活動の地域移行化を初めて知りました。

 川口市在住ですが、知り合いの中学生たちから部活動の参加が今年度から任意になったと聞きました。知り合いの中学生たちで、新2年生はみんな部活動をやめました。新3年生は最後の年だからとやめずに続けています。

 川口市は地域移行化以前の問題ではないかと思います。勉強や他のスポーツクラブに所属している子どもは部活動がそれらの妨げになるのは否めませんが…。全てが多様化で片付けられている気がします。

■半ば強制的に練習/40代会社員

 県内北部の中学校に子どもが通っています。

 世間では、教員の働き方改革の名の下、部活動の見直しが行われております。本校も例に漏れず、今年度からは活動時間や活動日の見直しが行われました。

 しかし、うちの子どもの所属する運動部は、熱心な一部保護者と、根っからの体育会系の顧問により「自主練」という形で休息日も半強制的に練習させられています。勉強と部活の両立を目指し、勉強に時間をかけると、「勉強にばかりかけないで部活にもっと時間をかけろ!」と呼び出されて注意されます。大会でけがをしたり、本番に疲れが抜けないまま挑み、いつもの力を出せないことも多々あります。

 とにかく、うちの部活は時代の流れとは逆行しています。それを黙認している学校のやり方にも疑問を感じています。

■「勝利至上」へ加速/40代主婦

 中体連は勝利至上主義ではないはずだが、それは表向きだけであり、実際は勝利至上主義であると思います。県大会の結果を見れば分かるはずです。

 公立の専門的な指導者がいない部活で頑張っている子どもたちは、県大会に行けたとしても上を目指すことは実際に厳しい。中体連のガイドラインでは部活に時間の制限などがあり、夏場は気温が高くなれば中止です。子どもたちは満足に練習もできないのに、上位校はそんなの関係ない。そこに強い子が集まれば勝つのも当たり前で、それを認めているのが中体連です。

 クラブチームが大会に出られるとなると、さらに部活で頑張っている子どもたちは県大会にすら進むことが難しくなると思います。クラブは送迎や当番、会費など親の負担が大きく、家庭環境によって入れなかったり、勝ちを目指しているチームは、やる気があっても実力がないと入れないという話も聞きました。

■入試に影響は過ち/60代男性

 元中学校長です。部活について苦労しなかった学校はありません。保護者の中には部活を入試合格の手段と考えている人もいました。公立高校入試に部活成績が影響するのは明白な過ちです。埼玉県は不公平入試を続ける気ですか?

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