広島・呉市の製鉄所 今月末の全面閉鎖で意見交換 跡地利用は「責任持って検討」

従業員の雇用問題や跡地利用など、課題は山積みです。広島・呉市の製鉄所が、今月末で全面閉鎖されるのを前に、県や呉市が製鉄所と合同対策本部会議を開き、意見交換しました。

日本製鉄 瀬戸内製鉄所 今居武士 所長
「9月末には休止予定であり、72年の鉄鋼製造の歴史に幕を閉じることになります」

広島県 湯崎英彦 知事
「跡地利活用に向けた検討が急務であると考えています」

合同対策本部会議は、呉市の日本製鉄・瀬戸内製鉄所の閉鎖が決まった2020年に経済や雇用などの影響に対応するため発足しました。

鉄の製造工程はすでに終了していて、今月末の全面閉鎖に向けて解体工事が始まっています。

日本製鉄によりますと、2020年の閉鎖発表前に工場内で働いていた社員や関連会社のスタッフなどは合わせて3300人でしたが、退職したり、別の企業に再就職したりしたことで閉鎖後の来月には1060人と、3分の1以下に減るということです。

瀬戸内製鉄所では、呉市や労働局などと連携し県内企業との面接会を開いてきましたが、先月までに離職した1100人のうちおよそ9割が最就職先が決まっているということです。

また、製鉄所の跡地については具体的に決まっていることはないとしています。

日本製鉄 瀬戸内製鉄所 今居武士 所長
「呉の製鉄所の土地はさまざまな利点がある。広大な土地。インフラ、電気や水が整っている。水深の深いふ頭も持っている。こういった特性を生かした跡地活用につなげられたら。解体事業と並行して行政と協議しながらいい案を作っていきたい」

製鉄所の敷地面積はおよそ130ヘクタールで、マツダスタジアム36個分に相当します。

大型重機を使った大がかりな解体作業は、工場閉鎖後の来月から始まり、工事が終了するのは10年程度かかるということです。

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