クラウドシステム活用により低コストで実現できるレジャーDX

今年7月、リニューアルオープンした「福井県立恐竜博物館」。新たに追加された恐竜の展示、体験メニューなどを楽しみに、この夏休みには特に多くの人が訪れています。

当社は現在、福井県立恐竜博物館にて、チケットの販売や団体の予約、入退館オペレーション、顧客管理を一気通貫で行えるソリューションを提供し、ピークタイムにおいてもスムーズな入館を可能にする利便性の高い施設環境の実現をサポートしています。

春にリニューアルオープンした「サンシャイン60展望台 てんぼうパーク」においても、同様の取り組みを行っています。リニューアル後は、週末の来場者数が約4倍まで増えていますが、数人のスタッフ増員で待機列や混雑なく運営できる環境を提供しています。

さらに進むデジタル化

コロナ禍を経て、人々の生活には急速にデジタル化が浸透しました。外出時、目的地の情報を事前に調べて予約・チケット購入を済ませることは当たり前になったと感じます。

こうした生活者の行動変容を受けて、レジャー施設においてもデジタル化への意識が高まっています。当初は、感染症対策として混雑緩和や非接触対応のためデジタル化に取り組んだものの、今では、人材不足や運営費高騰に対応するための省人化・省力化、顧客満足度の向上を目的に、デジタル化を推進しているとする施設は少なくありません。

デジタル化により取得した来場者データを活かし、マーケティングを強化する動きも加速しています。コロナ禍を経て再活性化した観光業界では、地域・施設間競争が激化しています。地方にあるレジャー施設も全国にテレビコマーシャルを打つなどし、各社、工夫を凝らして集客に注力しています。

システム運用で効果的なマーケティングを実現

最近、運営課題としてご相談をいただくのは、システム運用と来場者数の増加に関するものです。自社で内製したシステムを運用していたものの、開発ディレクションや運用人材の不足により、機能拡張やメンテナンス、繁忙期のインフラ増強などに対応できず、外注を検討し始めたという施設担当者の声を頻繁に耳にするようになりました。

また、来場者数、特にリピーターを増やしたいというご相談も増加傾向にあります。テレビコマーシャルや屋外広告などに投資をしているものの、「手ごたえを感じられない」と悩まれている施設が増えているように感じます。

システムの運用やリピーターの獲得に課題を感じられているというご担当者には、①クラウド型サービスへの外注を含めたチケットシステムの見直し・システムのフル活用②データを活用したマーケティング施策の実施-この2点に取り組んでいただきたいです。

先に挙げた2施設のように、当社では、チケットシステム&マーケティングソリューション、オールアセットでのデジタル対応、支援を行っています。チケットの販売・予約受付~入館、マーケティングまで一気通貫でできるシステムを設計し、施設業務の効率化だけでなく、来場者データに基づく仮説検証・意思決定により、効果的なマーケティングを実現します。

ある東海地方の施設では、当社と取り組みをする中で、幼児が楽しめること、夏季のプール営業を売りとしているにも関わらず、この認知ができていないことが、データ活用により明らかとなりました。現在、ビジュアルの変更や施設の特徴を正しく知っていただくコミュニケーション施策の強化を進めています。

今こそデジタル化を進め、活用するタイミング

デジタルシステムはこの数年で大幅に導入費用が下がり、施設規模・立地も様々な活用事例が多数出てきたように感じます。生活者にとってデジタルが当たり前化した今こそ、各施設でデジタル化を進め活用すべきタイミングです。

日本の観光産業には、各地を代表する観光施設の存在が必要不可欠です。愛される場所であり続けるために、各施設でデジタル化に対応し顧客データの利活用に取り組んでほしいと考えます。顧客データの見える化は、顧客との対話の第一歩となります。

チケットシステム、デジタル、というと「うちには難しい」と考えられる方もいらっしゃるかと思います。しかし、当社は複雑な既存システムの有無、予算、立地、施設規模、それぞれに課題を感じられている観光施設で実績を上げてきました。デジタル化の推進、活用課題があるレジャー・観光施設の方にはぜひ気軽にご相談ください。

寄稿者 米山寛(よねやま・ひろし)アソビュー㈱専務執行役員CRO

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