安全運転の“お守り”にレース用オートバイ寄贈 鈴鹿4耐出場の高見さん、高岡・伏木神社に

高見さん(右)が寄贈したヤマハ「TZR250SPR」。左は尾崎宮司=高岡市の伏木神社

 富山県の高岡市伏木矢田の元アマチュアオートバイレーサー、高見正人さん(58)が、レースで使用したオートバイを同市伏木東一宮の伏木神社に寄贈した。同神社はバイク愛好家がツーリングの際に立ち寄る人気スポット。高見さんは危険と隣り合わせのレースを戦った愛車を安全運転の“お守り”として境内に設置してもらい、交通事故の防止に役立てたい考えだ。

 高見さんは17歳でオートバイ免許を取得し、20代から新潟県の日本海間瀬(まぜ)サーキットで250CCクラスのレースに出場し始めた。30歳ごろからは三重県の鈴鹿サーキットで開かれるアマチュアオートバイレースの祭典「鈴鹿4時間耐久ロードレース(4耐)」に約10年間出場し、最高で4位入賞を果たした。

 4耐は2人一組で交互に走り、4時間の周回数を競う。最高速度は時速200キロを超え、転倒などによるけがのリスクが高い。高見さんもレース中に骨折したことが何度もあり、出場前は安全祈願のため各地の神社を参拝していた。

 伏木神社は昨年から、静岡県の神社が企画したオートバイで全国の寺社を巡る「疾風巡拝プロジェクト」に参加し、ライダーの来訪スポットとなっている。高見さんはこの取り組みを応援しようと、4耐で愛用したヤマハの「TZR250SPR」を贈ることを決めた。

 高見さんが寄贈したオートバイは、「バイクの日」の8月19日に同神社で開かれた交通安全イベントで披露された。今後は天候の良い土曜、日曜限定で拝殿前に設置される。高見さんは「安全で楽しいバイクライフを送るための一助になればいい」と期待する。尾崎定秀宮司は「大変ありがたい。お参りに来る際は交通法規に従い、安全に運転してほしい」と話している。

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