「動機説明して」京アニ放火殺人事件、傍聴席求め140人が列 初公判まであと2時間

京アニ事件の公判を傍聴しようと列を作る人たち(2023年9月5日午前8時半、京都市上京区)

 36人が犠牲となった京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪で起訴された青葉真司被告(45)の裁判員裁判の初公判が5日午前10時半、京都地裁で始まる。同日午前8時半現在、一般傍聴席を求めて約140人が列を作っており、殺人としては平成以降で最多の犠牲者を出した京アニ事件への高い関心が表れている。

 初公判では、青葉被告が出廷して起訴内容への罪状認否を述べるほか、検察側が冒頭陳述で犯行に至るまでの経過などを説明。弁護側が事件当時の被告の刑事責任能力について主張を展開し、裁判の争点が明確になるとみられる。

 一般傍聴席の抽選は、希望者が多数に上ると想定されることから、通常の裁判と異なり、京都地裁近くの京都御苑内の富小路広場(京都市上京区)で行われる。同広場には、リストバンド型傍聴整理券の配布が始まる午前8時半を前に、多くの人たちが集まっていた。

 午前8時から並んでいたという会社員の男性(24)=大阪府柏原市=は「小学生の時から京都アニメーションのファン。犯人には怒りしかない。事件を起こした動機を説明してほしい」と話した。

 京アニ事件では、犠牲者36人のほか、32人が重軽傷を負った。遺族や被害者など関係者に向けて多くの傍聴席が確保されるため、一般傍聴席は大幅に絞り込まれる。

 過去、京都地裁であった刑事事件の初公判では、ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を巡る事件(2004年)で約250人、初の裁判員裁判(09年)で261人、青酸連続殺人事件(17年)で614人が、それぞれ一般傍聴席を求めて並んだ。

© 株式会社京都新聞社