アフリカで国際協力 長崎出身・大田さん 高性能ミシンを現地女性へ スポーツ指導も着手

アフリカの若者の自立支援などに取り組む大田さん(左)と末永さん=長崎市元船町、シエル ナガサキ

 アフリカで国際協力に取り組む長崎県長崎市出身の大田孝さん(54)は、7月、故郷の百貨店でアフリカ東部の小国、ジブチの女性と制作した洋服の展示販売に挑戦した。現地の女性たちの収入向上につなげようと、売り上げの一部で高性能ミシンの購入を目指し、無事達成。大田さんは10日に再び、同国へ渡航予定だ。今回は協力者から寄せられたバドミントン用具も引っ提げ、ジブチ国内で人気が高まっている競技の普及にも取り組もうとしている。
 大田さんは国際協力機構(JICA)の専門家として、ジブチで沿岸警備隊の支援業務に従事。本業の傍ら、ボランティアで現地住民の自立に向けたサポートもしている。
 7月下旬に開かれた展示販売会には、思いに共感した人たちが多く来場。大田さんと一緒に活動する同市の末永志穂子さん(54)は「幅広い年齢層の方々が来てくれ(現地の女性が作った)洋服を通じてアフリカを身近に感じてもらえた」と手応えを口にした。
 売り上げからロックミシンを購入。生産性の向上を図り、現地で作る女性たちの収入アップにもつなげたい考えだ。ミシン販売店からは、カラフルで高品質の糸が大量に寄贈された。
 大田さんは今回、洋裁支援に加え、バドミントンの技術指導にも着手する。大田さんによると、ジブチでは近年、バドミントン連盟が立ち上がるなど競技者が増える中、練習環境は整っていない。現地では大田さんも仕事後に小学校の体育館で住民や日本の自衛隊員らと汗を流しているが、ラケットは不足し、はだしでプレーする子どもたちも少なくないという。
 大学生の時に全日本学生選手権(インカレ)に出場し、中高生への指導経験もある大田さん。長崎市内の中学校の指導仲間に協力を求めると、約40本のラケットや使わなくなったネットなどが集まった。知人から寄せられたシューズやウエアとともに現地に届ける。「競技レベルはまだ低いが、いつかジブチから国際大会に出場する選手が出られれば」。そんな夢も描く。
 使わなくなったバドミントン用具があれば寄贈を呼びかけている。問い合わせは末永さんが代表の「シエル ナガサキ」(電090.1083.6467)。

© 株式会社長崎新聞社