2025東京大会 都内の中高生が投票「デフリンピック」大会エンブレム決定

2025年に東京で開催される、聴覚障害がい者の為の国際的なスポーツ大会「デフリンピック」。その大会エンブレムの最終選考が行われ、都内の学生の投票によって大会エンブレムが決定しました。

2年後に迫る「デフリンピック」。聴覚に障がいのあるアスリートのための国際的なスポーツ大会が、東京で初開催となります。9月3日に行われたイベントでは、最終候補に選ばれた3案の中から、都内の中高生65人による投票が行われました。

選考に参加した学生:「一筆(書き)でいっていろんな意味が込められててって考えると、デフっぽさってのは〈イ〉かな」「日本の国旗に赤が入ってて〈ウ〉が一番日本らしいと思いました」

国際大会のエンブレムということもあり、会場では学生たちがディスカッションや投票に真剣に向き合う姿が見られました。決定したエンブレムは、人々のつながりを意味する「輪」がテーマで手話に使う「手」と日本の象徴である「桜」をモチーフにしています。デザインしたのは、筑波技術大学4年生の多田伊吹さんです。

多田さん:「デフリンピックの特徴をどういうふうに表せるのかと考えた時に、「手」の形を思いつきました。皆さんに選んで頂けたというのがすごくうれしい気持ちでいっぱいです」

今回選ばれたエンブレムは大会のホームページやポスターなどで今後使用される予定です。

今回エンブレムがどのように決められたのか、詳しく見ていきます。今回決定したこちらのデザインを含め、最終候補となった3つのエンブレム案はすべて、国内唯一の視覚や聴覚に障のある人に向けた国立大学である筑波技術大学の学生が考えたものです。どれも素敵なデザインですが、投票の結果、多田伊吹さんがデザインしたものが選ばれました。

多田さんがデザインにどんな思いを込めているのかといいますと、テーマが人と人をつなぐ輪ということで、指のこの辺りも輪になっていますよね。そして全体のデザインは手のひらを表していまして、コミュニケーションに使う手話だったり、デフスポーツの魅力に触れるという意味が込められています。親指部分が桜の花になっている理由は、障がいのある子どもたちが今回の大会をきっかけにして未来に花を咲かせてほしいということです。

そして今回のエンブレムの選考は、デフ陸上日本代表の中野洸介選手や、都内の健常の中高生やろう学校に通う生徒が一緒に話し合って決められました。それぞれがデザインからどんなことを感じるかを、手話通訳さんが入りながらですがお互いに伝えあうことで、参加した子どもたちは、話し合いを経て大会の存在を初めて知ったということや、是非会場で応援したいということでした。

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